ドイツ主要産地を網羅したドイツワイン全24本、総勢8名のプロに飲んでいただきました!
本日はリースリング・シュペートブルグンダー編と題し、アカデミー・デュ・ヴァン講師の楠田卓也先生と紫貴あき先生のレポートをご紹介いたします!
《リースリング編》
『土壌の違いがはっきりわかる。スタイルも辛口〜甘口までさまざま。最後に飲んだテラ・モントーサは別格(by 楠田先生)』
『リースリングの白は計6本試飲しました。モーゼル地方・ミッテルライン地方は石の多い土壌。
ワインの味わいに引き締め感、緊張感があって、縦に伸び、余韻は残り香なのに対して、このラインガウは粘土の多い土壌なので、ふくよかでまろやか。余韻がじわっと舌に後味として残ります。
土壌による違いがこうもはっきり表現できるのはさすが有力生産者だと思います。
一番最後に飲んだテラ・モントーサ2017は別格。威風堂々たる姿で、辛口ワインの今を見せてくれました。
5年熟成という、「年月が造ってくれたリースリングの味わい」を、ぜひ皆さんに体験していただきたいです。』
『ソムリエ教本にはない、優しく繊細なリースリングスパークリング(by紫貴先生)』
『日本ソムリエ協会教本では、リースリングをはじめとするアロマティック品種は、瓶内二次発酵しないと書いてあります。
それは、瓶内二次発酵で発生した澱の香りとアロマティック品種の香りがバッティングしてしまうから。
でもこちらのリースリングのゼクト、ラッツェンベルガーブリュットは、どの香りも優しく調和して、泡も繊細でとても良かったです。』
《シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)編》
『昔ながらのドイツのスタイルと、今どきのスタイルに分かれる。北の地域はいわゆる薄ウマ系、南はブルゴーニュに極近いものも』(by楠田先生)
『5種類を試飲しました。北のアール地方から南はバーデンまで、リースリング同様、スタイルの違いがはっきり。
北は冷涼だからこそ味わえるいわゆる薄ウマ系。アタックは大人しいけれども、アフターが豊かで、後からじゅわっと出汁のような旨みが広がっていく感じ。
それこそ醤油などを使った和食など、幅広い料理に合わせられそうです。
対する南の地域の2本は、ブルゴーニュに近いスタイル。
特に一番最後の「フーバー マルターディンガー」の完成度の高さには目を見張るものがあります。
口当たりは滑らかで、果実が豊かなうえに、タンニンのコントロールが見事。
このワインの名前は、古文書に埋もれた伝説の村マルターディンゲンが由来で、品種名がラベルに書かれていません。
その辺りも、テキストと照らして楽しむとより美味しく飲めるのではないでしょうか。』
『ベッカーは、果実味とナチュラルな酸が心地良い!ブルゴーニュ好きなら飲んでいただきたい一本(by紫貴先生)』
『きつねラベルのベッカー ドッペルシュトゥックは、レッドプラムやレッドチェリーの果実味とナチュラルな酸が心地良い一本。
今、ブルゴーニュワインは市場にあまり出回っておらず、手に入りにくい状況。
ブルゴーニュワインを彷彿とさせる仕上がりのこのワインは、ブルゴーニュ好きには一度飲んでいただきたいですね。』
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