
こんにちは、大阪営業所の井手です。
1年間、お届けワインの美味しい飲み方と取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
第10回でお届け
シチリア州
【赤】ピエトロ・カチョルニャ|エトナ・ロッソ “チャウリア”

飲み頃は?3日目〜4日目
開けたては若い乳酸の香りがします。
2日以内に絶対飲み切らないでください!
3、4日目に1万円超えのブルゴーニュのピノ・ノワールの香りに変わります!
ファインワインと付き合う秘訣は焦らずにゆっくり香りが開くのを待つことです。
※ブルゴーニュグラスでお楽しみください!
温度帯は?
18度〜22度
ボトルを握って少しヒヤッとする温度
抜栓後、 セラーがない場合は冷蔵庫の野菜室で保管してください。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)

赤果実系
赤果実系とはピノ・ノワールやネッビオーロ(バローロ)を代表する酸味が強く、色調が赤く濃淡がやや薄い特徴を持つジャンルです。
※赤ワインは大きく分けて赤果実系のジャンル(ピノ・ノワール等)と黒果実系のジャンル(メルロー等)2種類に分かれる事が多いです。 今回は赤系果実の特徴が色濃くでる品種です。
ピノ・ノワールに似た特徴を持つ品種で勉強になる品種なのでしっかり楽しみましょう。
(ジャンル分けは井手独自の感覚のジャンル分けです)

タイプ
赤果実系で酸味、果実味と旨味を感じるタイプ(代表品種はピノ・ノワール)
若いビンテージは香りと赤ベリー系の果実味が強く、熟成と共に旨味が出てきます。

特徴
今回のワインは『黄桃の香りがする赤ワイン』です。
このタイプは出会うのが稀なワインです!
ブルゴーニュの試飲会を数多く行くと稀に『黄桃』の香りがするピノ・ノワールに出逢います。その時は知り合いのソムリエと「〇〇番のピノは桃の香り出てたよ」と情報交換します。1年で1回出会えるかどうかの稀な確率の香りです。しかも1万円以上のピノ・ノワールでしか出会った事がありません。
なのでこのワインを初めて試飲した時は驚愕した事を憶えています。
「4000円代でこの香り出るんだ...イタリアワインって凄いな...」
稀なタイプのワインなので最大限味わって欲しいです!
色々なタイプの高級ピノ・ノワールがありますが、私の大好きなピノ・ノワールのタイプに酷似しています。
若いヴィンテージですが2日待つだけで味と香りのバランスが素晴らしいエレガント&ジューシーワインに変貌します!
1日目 マロラクティック発酵由来の乳酸の香りは開いていない香りです。果実味よりもドライなタンニンが先に感じるのも開いてないワインです。
香り:乳酸の香り、黄桃の香り。
味:黄桃、ドライなタンニン、硬いね。
2日目 乳酸の香り抜けた!けどドライなタンニンがまだ先に感じる。少し硬い。
香り:鉄分の香り(血の様な香り)、赤系特有のバラの香り出てきた。
味:黄桃が凄く出てきたけどドライなタンニンが先に感じる、樽感も出てきた。
3日目、開いてきた!ジューシーな果実味でた!
香り:完熟の黄桃、バラの香り、鉄分。
味:ジューシーでエレガント。
4日目、3日目より酸味が出てきた。好みですが4日目が好きです。
香り:変わらず良い。
味:酸味出てきた。
結論 流石のポテンシャル!レストラン用は全て完売したワインです!
3日目香りも味わいも開いて、4日目酸味が強く出ます。5日目に果実味が少し落ちます。
若くてこのポテンシャルは値段も含め、入荷して3ヶ月でレストラン用のワインが完売した事が頷ける内容でした。
ブルゴーニュのピノ・ノワールが高騰する中、味わいは1万円超えるクラスです!
3大エレガントワイン(ブルゴーニュ、アルバ、エトナ)に近年名を連ねたエトナロッソは偉大なワインになるポテンシャルを証明してくれます。
僅か2.5ヘクタールの畑で造るこの希少なワインを楽しんでください!
※アルバはバローロ、バルバレスコの生産地です。
ベストペアリング

・鴨胸、合う!鉄分の同調と果実味の補填が凄く美味しい!アフターも旨味同調しまくり!ベストペアリングです

・ラム肉、ワインの香りとラムの香りが同調して美味しい!ラムの青い草の香りとワインの若い香りが同調!香りと香りを合わせるワンランク上のペアリング!

マグロ赤身、抜栓3日目から特に合う!アフターにワインの果実味と鉄分が補填されて美味しい!余韻も旨い!

・シャケ塩焼き、抜栓3日目合う!桃のソースつけたみたい!出汁感と果実味、鉄分が同調して合う!

夏らしいペアリングも紹介します。
・ピーマングリル(シシトウでも)、エグ味と青味に若い果実味が補填されて合う!さらに樽感が補填される!ベストペアリング!

・スナップエンドウ塩茹、青味にエグ味が合う!アフターの樽感と甘味が同調!
・水茄子生、エグ味と青味が合う!夏らしいペアリングで美味しい!!
・ルッコラ、美味しい!ハーブ感と苦味がワインの青味と果実味が補填される!不思議なペアリング!試して欲しい!
夏らしい青味のお野菜に青味を合わせる上級者のペアリングです!赤ワインと夏野菜の組み合わせは今しかできません!上級者のペアリング体験のチャンスです!
結論 若い赤果実系は難しいペアリングと思われがちですが、逆らわずに似た味わいで合わせる事が大切です。エグ味を上手く使えるとプロのソムリエでも知らない2ランク上のペアリングが完成します。
※何度も書きますが、『赤系果実の殆どが牛肉(赤身、脂身)と相性が悪い』です。ソムリエでも知らない方が多いので合わない感覚を是非試して欲しいペアリングです。
井手のベスト漬物 しば漬け エグ味が旨味に変わる同調ペアリングです。
・水茄子のお漬物も合いますが、旬なので生の水茄子で試していただきたいです。

井手のベストポテチ ・スッパムーチョ梅味 梅の酸っぱいエグ味が同調しまくりです。
・のり塩、合う!海苔の旨味が補填されて美味しい。

漬物ではないですが昆布の佃煮はお勧めです!特にフジッコのふじっ子煮シリーズは凄く合います!
シソ昆布、凄く合うね!シソとチェリー感が爽やかなハーブ感になる!
おかか昆布、旨味が足されて美味しい!合う!
Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。 O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。