こんにちは、大阪営業所の井手です。
1年間、お届けワインの美味しい飲み方と取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
第4回でお届け
【赤】ニコルッチ|ロマーニャ・サンジョヴェーゼ スーペリオーレ “トレ・ロッケ” 2022
飲み頃は?
2日目からですが、3日目に感動的な香水の香りに変わります!
4日目も美味しいファインワイン!
必ず冷蔵庫の野菜室かセラーでも温度が低い設定で時間をかけてください。
暑い季節になりました。低め設定のワインセラーか冷蔵庫、あれば野菜室で保存をお願いします。
温度帯は?
閉じて香りが出にくいワインなので少し高めの18度〜22度
野菜室から出して40分〜50分時間を置いた温度。
抜栓後はセラーがない場合は冷蔵庫の野菜室で保管してください。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)
黒果実系
黒果実系とはカベルネソーヴィニョン、メルロー、シラー、サンジョヴェーゼ、モンテプルチャーノ、プリミティーヴォを代表する果実味が強く、色調が赤黒く濃淡が濃い特徴を持つジャンルです。世界中で造る赤ワインの大部分はこのジャンルのワインです。
※赤ワインは大きく分けて赤系果実のジャンルと黒系果実のジャンル2種類に分かれる事が多いです。
今回は黒果実系の特徴が色濃くでるワインです。サンジョヴェーゼを識る上で凄く勉強になタイプなのでしっかり楽しみましょう。
(ジャンル分けは井手独自の感覚のジャンル分けです)
タイプ
果実味とスパイス感が強くタンニンがドライなタイプ(サンジョヴェーゼ、サグランティーノ、タナ(タンニンの語源になった品種)、シラー等)
特徴
このタイプのワインはドライなタンニンを感じるワインです。渋い緑茶の様なタンニンです。
強いタンニンのワインになると、舌がタンニンでギュッと引き締まり、口の中の水分を奪います。口の中がカラカラになります。黒果実系の長期熟成ワインに多く感じるタイプです。
1日目 黒系果実の閉じている状態特有の『墨汁の香り』を感じてください。
香、微かな墨汁の香り、カシス、ラベンダー、ブルーベリー、鉄分。
味、タンニンがドライ、カシスの果実味、閉じている赤ワインは果実味より先にタンニンを感じます。
2日目 墨汁の香りが消え、タンニンが柔らかくなった。開くと果実味の後にタンニンを感じる!
香、墨汁の香りが抜けて熟したカシスの香り、ラベンダーの香り。
味、タンニンが柔らかくなった!カシスの果実感の後に程良いタンニン、アフターの果実感が心地よい!旨い!
3日目、果実味タップリ!ブルーベリーとラベンダーのフレーバーが香水みたい!
タップリよ果実感を細かいドライなタンニンが絶妙にバランスが取れる!旨い!
香、ブルーベリーとラベンダーの香水。
味、タップリの果実感、ブルーベリー、カシス、タンニンが甘くなった!
4日目、香りがひらいたまま!美味しい!
香、変わらず良い!
味、味わいも変わらず良い!
結論
イタリアワインを識る上で重要な品種『サンジョヴェーゼ』
飲む機会が多い故に理解するの事が難しい品種と言われています。
何故か?
それは『黒系果実』、『赤系果実』2つの顔を持つ品種だからです。
果実味が強くでる黒系タイプ、と旨味が強く出る赤系タイプ、その両方の果実味と旨味の特徴を持つタイプ、
ここが理解できると、サンジョヴェーゼを紐解く事ができます。
今回は黒系果実の特徴が色濃くでたワインです!しっかり楽しみましょう!
サンジョヴェーゼの魅力!
生産量の多いサンジョヴェーゼは造り手の考えや地域の食文化で味わいの表現が変わる代表的な品種です!
トスカーナ州で造られる有名なDOCGのサンジョヴェーゼも様々な味わいです。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは旨味が強い『赤系果実』の傾向が強く、名前のままですが高貴なワインと名乗るヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノは酸味が強くエレガント系に仕上げる『赤系果実』の傾向が強いです。モレッリーノ・ディ・スカンサーノは酸味が穏やかで果実味が豊かな仕上がりになる『黒系果実』の傾向、キャンティは『赤系黒系入り混じる無法地帯』です。
個人的に言える事は、サンジョヴェーゼは『雑な酸味と雑なタンニンの間に強い旨味と果実味を感じる品種』です。
この雑な酸味と雑なタンニンを滑らかにする事で如何に美味しいワインに仕上げるか!が生産者の腕の見せどころです。
ネッビオーロも同じですが、昔は年月と共に熟成する事でしか滑らかに出来なかった事が醸造技術の発達や造り手の努力で若くても美味しいワインが増えた事は嬉しいばかりです。
ベストペアリング 3日目以降のタンニンが柔らかくなった状態で合わせてください!
・牛ハラミ(アンガス牛)、美味しい!ブルーベリーの果実味補填される!3日目のタンニン収まってから合わせて欲しい!今回のワインは和牛より脂身の少ない海外産の牛の方が合います!
・国産牛を合わせる場合には脂身の少ない部位を選んでください。モモ、ランプ、フィレをレア焼きがお薦めです!
・豚トロ or 豚バラ肉、美味しい!ブルーベリー感が豚肉の臭みを消して果実味を補填する!アフターのタンニンも気にならない!
・鴨胸肉、凄く合う!ブルーベリー感が鴨肉の鉄分と同調して合う!ワインがソースになる!アフターも旨い!
流石万能食材です!
椎茸は基本的にどのワインとの相性も素晴らしい食材です!是非ペアリングしてください!ワインと椎茸のペアリングにハマります!
酸味の優しい酢の物なら基本的にワインと合います!(クセの強い食材はNG)
・マルチョウ(牛ホルモン)、サッパリさせながらブルーベリーの果実味が補填される!美味しい!
・ピーナッツ素焼き、美味しい!ブルーベリーソースかけたみたい!余韻の香ばしさも合う!
・菜の花塩茹で、苦味と果実味が合う!アフターにかけて香りが同調して美味しい!
・柚子ピール、香りの同調!タンニンの同調!赤ワインと合う!
1日目のドライなタンニンの黒果実系ワインは合わせるジャンルが狭いのでチーズをお薦めします。
ワインの歴史と共に育ったチーズは基本的にワインに合います!なのでペアリングをここで紹介する必要は無いと考えていますが、ポイントだけお伝えします。
どのペアリングも同じですが、チーズを合わせるコツはワインとチーズのボリュームを合わせる事です!
なのでフレッシュチーズ以外は合います。(フレッシュチーズの油脂分ではドライなタンニンを流せないからです)
※黒果実系はワインのタンニンをチーズの油脂で相殺し、黒系果実味が補填されます。
・スモークチーズ、スーパーで売っているウインナーみたいな形のチーズです。白、ロゼ、オレンジ、赤、何でも合うので便利なチーズです。私は常備しています。スモーク感がペアリングのポイントになるので体感してください!軽く焼いても美味しいです。
・白カビ、(カマンベールチーズ、日本産で充分美味しい)、ミルキーなチーズにブルーベリーソースかけたみたい!
・青カビ(ゴルゴンゾーラ等)、ボリューム感同じ!アフターに青カビの香ばしいさとミルキー感がブルーベリーソースかけてるたいで美味しい!
井手のベスト漬物
・しば漬け、ブルベリー感と紫蘇感が合う!タンニンも同調!しば漬けは優秀です!
・紫蘇梅干し、美味しい!酸味が甘く感じる!アフターも果実味足されて美味しい!
井手のベストポテチ
・幸せバター、黒系のドライなタンニンはポテチとの相性よくないのですがバターと甘味が面白いペアリングになったのでポテチで合わせるならお薦めです。
▶︎ 第4回【微発泡赤】ヴェントゥリーニ・バルディーニ|レッジャーノ ランブルスコ フリッツァンテ “マルケーゼ・マノドーリ”
Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。 O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。