こんにちは、大阪営業所の井手です。ペアリング専門でレストランにワインを紹介しています。
1年間、お届けワインの美味しい飲み方と取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
第4回でお届け
【赤泡】ヴェントゥリーニ・バルディーニ|レッジャーノ ランブルスコ フリッツァンテ “マルケーゼ・マノドーリ”
飲み頃は?
開けたてから香り果実味共に美味しいです!
2日目にフレッシュな香りが抜けて深みが増します!
※スパークリングワインの専用ストッパーが無い場合、抜いたコルクは二度と刺さりません!
通常のワインのコルクを奥まで捻じ込んで、外したミュズレ(針金)と王冠でコルクを留めてください。
コルクがガス圧で抜ける可能性があるので立てて保存してください。
通常のコルクで保存した場合、ソムリエナイフかコルクスクリューでゆっくり抜栓してください。
通常のコルクも無い場合はサランラップと何重もの輪ゴムで頑張ってください。
温度帯は?
キンキンに冷やしても美味しいですが、香りも楽しんで欲しいので6度〜8度です。
冷蔵庫から出してグラスに注ぐと適温になります。
抜栓後は野菜室ではなく、より温度の低い冷蔵庫で保管してください。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)
ワイナリー提供のブドウの画像です。
ランブルスコのセッコ(やや辛口)
赤の泡はフリッツァンテ(微発砲)だから美味しい!
アタックの心地良い炭酸の中に隠れた芳醇なブドウの果実味が一気に口の中で爆発します。良いブドウで造った事が分かる塩味を伴うミネラル感、そこに刺激的なタンニンが程良いバランスで口に広がります。アフターはしっかりドライにまとめる秀逸なランブルスコです!
・ランブルスコを代表とした、赤のスパークリングに出会った時の楽しむ上で大切なポイント!
『泡の強さ』と『果実味の強さ(甘辛)』と『タンニンの強さ』この3つのバランスです。どれか1つでも強すぎるとバランスが崩れます。
「このランブルスコは泡、果実味、タンニンのバランスが素晴らしいね」なんてコメントをするとランブルスコを下に見ている多くの方々に差をつける事ができます!
ついでに「イタリアは赤ワインの甘口を造らすと世界一だね、タンニンと甘味の相性の良さは緑茶と和菓子の相性で証明されてるからね」なんて呟いてください。
ランブルスコの歴史はとても古く紀元前の古代ローマ時代(1200年前)から造られる伝統的なワインです。千年続く事が素晴らしいワインと言う事の証明です。
安価で大量生産の補糖されまくったランブルスコが出回る中で、厳しい剪定で1/3迄収穫量を減らし、SO2も最小限、オーガニック農法で1番厳格な基準のCODEX認定を受けています。最高級のブドウで造る最高級のランブルスコを味わってください!
今回お届けのランブルスコはセッコ(secco)やや辛口です。
- やや辛口 セッコ(Secco)、セミセッコ(Semi Secco)、アッボカート(Abbocato)
- やや甘口 アマービレ(Amabile)
- 甘口ドルチェ(Dolce)
※ランブルスコは果皮を漬け込まずに造るビアンコもあります。
1日目 巨峰だ!味も香りも巨峰だ!
香、巨峰の香り、カシス、リンゴ、
味、巨峰の味、リンゴ、カシス、
2日目 フレッシュ感が抜けて深みがでた。
香、レーズンの香り
味、ドライな巨峰(皮ごと食べた感じです)
3日目、炭酸が弱くなっても美味しい!
香、変わらず良い!巨峰の香りだ!
味、変わらず良い!巨峰の味だ!
結論
素晴らしいランブルスコです!
4日目は炭酸が無くなるので3日で飲みました。
タンニン強めなので赤ワイン用の大きなグラスで飲んでください。
香りを楽しむなら小ぶりのグラスもアリです!
ベストペアリング
・レバー旨煮、旨い!果実味の甘みがレバーの甘味と同調!ねっとり感を泡で流しつつアフターも旨い!
鳥レバーや牛レバーのタレ焼きでも代用できます。舌に絡みつくネットリ感をドライ系タンニンで流しながら果実味の補填をします。
・アルトバイエルン、美味しい!軽いタンニンでサッパリさせながら果実味のジャム感を補填!アフターも旨味と果実味が合う!茹でてフライパンで焼きました。
・豚スペアリブ、美味しい!豚の油を炭酸と軽いタンニンでサッパリさせる!アフターの巨峰感が補填されて美味しい!
素焼きのピーナッツ、ナッツの香ばしさと巨峰の果実感が足される!ピーナッツの皮もタンニンと同調!美味しい!
・ルッコラ、ルッコラの香ばしいハーブ感がワインの香りと同調して広がる!ベストペアリング!
・柚子ピール、香りが広がる!ボリューム感も完璧!ベストペアリング!
結論
熟成した生ハムと合わせる印象が強いランブルスコですが、実際は全く合いません!
イタリア現地で提供される状態の良い生ハムの原木削りたてのクオリティーは、日本のスーパーでは食べる事ができません。予めスライスされている生ハムで合わせると酸化のニュアンスが臭みになり安っぽい味わいに変わり、変な甘みが残ります。
馬刺しなどの生肉も同じ印象です。お肉は生肉より、しっかり焼き目を付けた香ばしい味わいとワインの香りを合わせる方が同調して相性が良いです!香味野菜も合うのでお肉の付け合わせにパセリやバジル、ディルなどと合わせるとワンランク上のペアリングに変わります。
BBQのシーズンなので牛肉、豚肉、ソーセージと一緒に楽しんでください!焼肉のタレとの相性も良いので塩でもタレでも美味しいペアリングになります!焦げ目を付けたお肉と冷やしたランブルスコはアウトドアを盛り上げます!
柚子ピールや柚子ペーストを少し隠し味に入れるとワインの香りが引き立ちます!
世界中で愛されるランブルスコはペアリングの幅も広いです!高級なコーラを合わせていると思ってペアリングしてください!
井手のベスト漬物
・糠漬け大根、大根のエグ味とワインの青い果実感とタンニン合う!凄く旨い!ベストペアリング!
・しば漬け、香りが広がる!美味しい!紫蘇との相性最高!
井手のベストポテチ
・スッパムーチョ、ビネガー的な酸味とワインの果実味が合う美味しい!ベストペアリング!
・ピザポテト、コーラ感覚で合わせてください!
▶︎ 第4回【赤】ニコルッチ|ロマーニャ・サンジョヴェーゼ スーペリオーレ “トレ・ロッケ”
Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。 O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。