
こんにちは、大阪営業所の井手です。
1年間、お届けワインの美味しい飲み方と取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
第2回でお届け
【赤】ストロッピアーナ|ランゲ・ネッビオーロ

飲み頃は?
4日目です!
必ず美味しくなるので2日以内に絶対飲み切らないでください!
3、4日目以降に高級バローロの片鱗がジワジワ見えてくるワインです!
※抜栓後は1番低い温度のワインセラーか冷蔵庫の野菜室で保管してください。時間経過と共に開く前に酸化します。
ファインワインと付き合う秘訣は焦れずにゆっくり整うのを待つことです。
温度帯は?
15度〜20度
ボトルを握って少しヒヤッとする温度
抜栓後、 セラーがない場合は冷蔵庫の野菜室で保管してください。
2日目以降は残量に対して野菜室から30分〜60分前に出し温度調整してください。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)

赤果実系
赤果実系とはピノ・ノワールやネッビオーロ(バローロ)を代表する酸味が強く、色調が赤く濃淡がやや薄い特徴を持つジャンルです。
※赤ワインは大きく分けて赤果実系のジャンル(ピノ・ノワール等)と黒果実系のジャンル(メルロー等)2種類に分かれる事が多いです。 今回は赤系果実の特徴が色濃くでる品種です。
凄く勉強になる品種なのでしっかり楽しみましょう。(ジャンル分けは井手独自の感覚のジャンル分けです)

タイプ
赤果実系で鉄分とタンニンが強いタイプ(代表品種はネッビオーロ)
若いビンテージは軽く感じるのですが熟成が進むと旨味を強く感じバローロに近い味わいに変貌します。
特徴
世界中で愛される高級品種のネッビオーロはエレガントな酸味と強い鉄分と旨味、ドライなタンニンが特徴的なワインです。バルベーラ同様に強い鉄分は人を魅了する香りと味わいになります。ワイン業界内でエロい香と比喩される品種は鉄分の強い熟成したネッビオーロとバルベーラとピノ・ノワールに多く使われる表現です。(鉄分=血のような香りと味わい)
残念な事に!特にネッビオーロはワインが開く前に抜栓される事が多く、本来のポテンシャルの半分以下で飲んでいます。バローロやバルバレスコが値段や期待の割に印象に残らないと言われる所以です。絶対美味しくなるのに残念です。今回のワインを通して若いワインが高級ワインに変貌する過程を体感できる貴重な時間になります。
1日目 加工品の香りが入り混じってる印象
香り:鉄の香り、ラベンダーの香り、梅ジュースの香り、微かなバラの香り、ゴムの香り。
味:強い酸味、赤シソの味、チェリーの果実味、ドライなタンニン、アフターに微かな樽感。
酸味が強く残る。
2日目 加工品の香りが抜けないな、味はまだ硬い。
香り:加工品の梅ジュースの香り、鉄の香り、ラベンダーの香り、チェリーも強く出てきた。
味:強い酸味、赤シソ、ブラックチェリー、鉄分、細かいドライなタンニン、微かな樽感
3日目、香りが開いた!あと少し!
香り:セメダイン香(エーテル)出てきた!バラの香りも出てきた、鉄の香り、バラ、赤シソ。
味:酸味がマイルドになった。
4日目、さらに香りが良くなった!(加工品→天然)味も出汁感出てきた美味い!待って良かった!
香り:セメダインの香り!(高級ワイン特有のポジティブな香り)、さくら塩漬け。
味:出汁感も出た!美味しい!果皮の旨味が出たらネッビオーロは開いてます!
結論 ネッビオーロは素晴らしい!旨味が凝縮しています!
3日目以降から徐々に良くなり、4日目に今まで感じなかった旨味を体験できます。
バローロの下のカテゴリーのランゲネッビオーロでこの美味しさです!香りだけで幸せになります。
若い赤果実系ワインの扱いは難しいので毎日試飲する事でしっかり感覚を掴んでください。
加工品の香り(硬いワイン)→天然の香り(開いたワイン)
ベストペアリング

マグロの赤身を紫蘇と塩で、鉄分が同調する!シソの香りとマグロが合う!アフターまでハーブ感が広がる!ベストペアリング!必ず鉄分の強い赤身で合わせてください。トロや中トロは合わないです。旨味も増えますが同時に脂身の臭みも増えます。

鴨の胸肉、旨い!鉄分が同調!旨味が同調、味わいが広がる、これもベストペアリング!
ラムもも肉、香りが広がる好きなペアリング!美味しい!ラム肉の味を邪魔せずに鉄分と香りが足される感じ。
鰹のタタキ、食べる直前にバーナーで炙ってください(これ凄く大事です)。鉄分の同調!旨味の同調!醤油つけると更に美味しい!焼き目の香ばしさは色々なワインと相性抜群です!
焼き椎茸塩、旨い!ボリュームが同じ!椎茸の出汁感とワインの旨味が合う!
ブラウンマッシュルーム、最初ワインが勝つけどアフター心地よい出汁感とマッシュルームの香ばしさが合う。
焼きイカ(惣菜)、合うね!イカの旨味とワインの旨味が同調して美味しい!酸味が入ってイカの味が広がる!鉄分も同調!醤油つけてるみたい。
プチトマト、悪くないけど味わいが広がらない、同じトーンの食べ物みたい。(面白いペアリング)
パクチー、旨い!ワインの香りが青草感を包み込んで旨味を補填する!
パセリ、香り広がる!パセリのハーブ感とシソの果実感が同調して美味しい!アフターもハーブ感で心地よい!

西洋料理と香味野菜の歴史は長く切り離せない関係です。実は香りも楽しむワインと香味野菜の相性が素晴らしい事を知って欲しいです!香りの強いワインとパセリや紫蘇だけで合わせてください。感動するペアリングになります。この組み合わせを理解する事でワインに合わせる料理が手軽に作れるようになります!
肉なら赤ワインは嘘です!
前回同様ですが酸味の強い赤系果実系の殆どが和牛(赤身、脂身)と相性が悪いです。ソムリエでも知らない方が多いので合わない感覚を是非試して欲しいペアリングです。
井手のベスト漬物 蜂蜜梅干し 酸味が打ち消し合って、梅干しの甘みを感じ旨味の同調がある!酸味が強過ぎない梅干しなら何でも面白いペアリングになります。

漬物ではないですが昆布の佃煮はお勧めです!特にフジッコのふじっ子煮シリーズは凄く合います!おかか昆布、しそ昆布は絶品です!

井手のベストポテチ 海苔しお系 海苔の旨味にワインの旨味とシソ感が足された感じ!合うな!

Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。 O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。