
こんにちは、大阪営業所の井手です。
お届けワインの美味しい飲み方と取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
第1回でお届け
トレンティーノ=アルト・アディジェ州
コルタッチ|アルト・アディジェ ゲヴュルツトラミネール “アレニス” 2023

飲み頃は?3日目以降です!
抜栓してすぐ香りも味も美味しいですがアルコール感を強く感じます。
2日目以降にアルコール感が落ち着き隠れていたフルーツの香りが広がります!
抜栓後5日以上美味しい状態が続きます。
温度帯は?
8〜12℃、香りも楽しみたいので少し高めで!
冷蔵庫の野菜室の温度くらいが良いです。
抜栓後は冷蔵庫で保管してください。

ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)
エキゾティック系のワイン
エキゾティック系とは果物の『ライチの特徴』を感じるレアタイプのワインです。
ライチの様な香りと果実味が口一杯に広がります!この香りが出る品種は限られており、
私の知る限り『ゲヴュルツトラミネール』と『マスカット・オブ・アレキサンドリア(マスカット系品種)』のみです。出会うことの少ない香り、故にレアジャンルになります。
世界を魅了する『ゲヴュルツトラミネール』
果皮が少しピンク色をしたブドウです。
『ゲヴュルツ』=ドイツ語で『スパイスや香辛料』という意味です。
トラミネール(Traminer)とは、ゲヴュルツトラミネールの別名でイタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェ州のトラミン村にルーツを持ちます。
フランスのアルザス地方やドイツ、北イタリアで多く栽培されていますが、最近ではアメリカやオーストラリア、日本等、世界中で作られる魅惑の人気品種になっています。
(ジャンルは井手独自の感覚のジャンル分けです)

タイプ
エキゾチックで少し甘みを感じる味わい!
今回お届けのゲヴュルツトラミネールはエキゾチックで甘みを感じる味わいです。
エキゾチック系の味のポイントは『ドライ』か『甘い』かです。
代表的な『ゲヴュルツトラミネール』はセミセッコ(ちょい甘)に造られる事が多いですが、このワインは比較的ドライなタイプに造られています。

抜栓 1日目 硬いな、開けたてからライチや青リンゴの香りがするけど、アルコール感が強い
香り:ライチ、パイナップル、青リンゴ、洋梨、シトラス
味:アルコール、ライチ、ジンの苦味
抜栓 2日目 パイナップルが強く出た、ライチも強くなった
香り:ライチ、パイナップル、青リンゴ
味:トロみ出たな、アルコール感少し少なくなったかな
抜栓 3日目 開いた!甘味出てきた!
香り:ライチ、パイナップル、青リンゴは変わらず
味:ゲベルツ特有の甘みが出てきた!美味しい!
抜栓4日目 全然風味が落ちない良いワインです!
香り:変わらず良い状態です
味:変わらず良い状態です
結論
開けたてからアロマティックで瑞々しいワインです!
ただ、2024年のヴィンテージは私がイメージしていた味わいと少し違うワインでした。
後1年熟成させると、酸味が穏やかになりライチの香りにシナモンの様な陰性の香りも溢れてきます。
この陰性のスパイス感が出るとエキゾティック系はもっと魅惑のワインに変貌します!
同じワインでもヴィンテージによって味わいが大きく変わる事は珍しい事ではありません。
年毎のブドウの収穫のタイミングと醸造の過程で味が変化する=ワインと言う飲み物の魅力でもあります。
今回のワインは当初のペアリングと少し変えます。
ペアリングのポイント!
・エキゾティック系のワインはハーブやスパイスとの相性が良くスペシャルなペアリングになります!

相性の良い食材と組み合わせてください!特に『バジル、青シソ、ワサビ、ローズマリー、ミント、クミン、カルダモン、キャラウェイ、フェンネル、アニス、シナモン』は相性が良いです!
食材に少し加えるだけで口の中で香りが縦に横に広がるペアリングになります!

ベストペアリング

鶏もも肉、ライチや青リンゴの香りが補填されて美味しい!ベストペアリング!
地鶏の様に香りの強い方が『香りに香りを合わせるペアリング』になります!
ネギの香りも相性良いので、『ねぎま』もベストペアリングです!

・牛タン、美味しい!牛タンの旨みはそのまま、ワインの清涼感が合う!ベストペアリング!

・椎茸塩焼き、香りの同調ある!新しい椎茸の香りになる!松茸みたいな香りに変身

・今回のワインはお野菜との相性も素晴らしいワインです
・旬を迎える、ほうれん草、ツルムラサキ、チンゲンサイ、春菊、等
ボイルか蒸した状態に上記のハーブやスパイスを色々合わせて、ポン酢か麺つゆをかけてください!新しいハーブ&スパイスのお浸しが完成します。野菜とハーブ&スパイスの香りが同調して鼻腔まで広がるペアリングになります!
・ズッキーニ、長茄子、シシトウ、ピーマン、長ネギはグリルで少し焦がしてワインをソースにしてください。食材の青味と焦がした苦味にワインの香りが心地よく合います!
・豚肉、ラム肉、等はワインの酸味でさっぱりさせてアロマティックな果実味が補填され無限に食べれる組み合わせです。

・アサリや蛤のグリルや酒蒸しはアロマが足されるイメージで酸味と香りが補填になり味わいが広がります。
・枝豆、だだちゃ豆、黒豆も良いペアリングです!
結論
上記の食材に『バジル、青シソ、ワサビ、ローズマリー、ミント、クミン、カルダモン、キャラウェイ、フェンネル、アニス、シナモン』などを重ねてください!
ハーブやスパイスがワインの香りと重なり心地よいペアリングになります。
『香りと香りを重ねる幸せなペアリング』
井手のベスト漬物は
・沢庵、胡瓜漬物
漬物の香りに心地よく補填される。

井手のベストポテチ 「ワサビーフ」
・ワサビの鼻に抜ける香りがライチの香りと重なり心地よい!

▶︎第1回【赤】レドンデル|ヴィニェーティ・デッレ・ドロミティ テロルデゴ “インドゥルジェンテ”
Vino Hayashi 井手
大阪営業所長
J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー
横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。
O型。45歳。
ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかに
ペアリングのコンサルもこなし、
飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人!
好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルの
ミュラートゥルガウ、コントゥッチの
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。