ワインが好きな人のなかには、「もっとワインについて詳しく知りたい」とか、「将来的にソムリエの資格を目指したい」という人も少なくないのではないでしょうか。そこで、この記事では、ワインの4つの勉強方法を紹介しながら、ワインに関する基礎的な知識を解説していきます。ワインの勉強中の人や、これからワインを勉強しようと思っている人は、ぜひ参考にされてみてください。
ワインについて勉強する4つの方法
ワインについて勉強するには様々な方法がありますが、無理なく勉強を続けるには、自分のライフスタイルに合った方法を見つけることが大切です。以下、具体的な勉強方法を紹介するので、ぜひ自分に合った勉強方法を見つけてください。
独学で勉強する
もっとも手軽にできるワインの勉強方法が、「独学で勉強する」という方法です。空いた時間にワインに関する書籍などを読んだりすることで、あまりコストをかけず、自分にあった勉強ができるのが最大のメリットと言えるでしょう。
一方のデメリットとしては、ワインについてまったくの初心者である場合、何から手を付けていいか分からず、勉強が進まなくなってしまう、という点が挙げられます。
通信講座で勉強する
ワインの勉強方法のひとつに、「通信講座で勉強する」という方法もあります。通信講座なら家で好きな時間に勉強ができるため、忙しい人でも負担なく勉強できるのが魅力です。また、テキストなどもわかりやすく、体系的にワインの知識を学べるのも特徴です。
一方、通信講座を受講するには受講料がかかるため、相応のコストが発生します。また、ある程度は勉強時間が確保できないと、勉強を続けるのが困難になり、せっかくの受講料も無駄になってしまう可能性もあります。
ワインスクールに通う
ワインの勉強と言ったら、「ワインスクールに通う」という方法を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実際、先生から直接学べるワインスクールでは、ワインについての幅広く、奥深い知識を身に付けることができるため、本格的に勉強したいならスクールに通うのがベストと言えるでしょう。また、ワインスクールでは、一緒にワインを学ぶワイン仲間を作ることができるのもメリットのひとつです。
一方、ワインスクールのレッスン料は決してお安くはなく、かなりのコストがかかることは覚悟しなくてはなりません。また、決まった日時にスクールに足を運ばなくてはならず、スクールも大都市や都心部に集中していることから、忙しい人や、郊外や地方に住んでいる人には、通うのが負担になってしまう可能性もあります。
ワインイベントに参加する
ワインの勉強法のひとつに、「ワインイベントに参加する」という方法もあります。
ワインに関するイベントといっても多種多様なものがありますが、その大半は実際にさまざまなワインのテイスティングができたり、専門家の講義があったりと、学びの多いものになっています。
ただし、ワインのイベントは定期的に開催されるわけではなく、間が空いてしまうと前回の内容を忘れてしまったりするため、ワインイベントに参加するだけでは、短期間でワインの幅広い知識を習得するのは難しいでしょう。
ワインとは
ワインを勉強していくにあたり、まずはワインがどのようなお酒なのか、他のお酒とはどのように違うのかということをお伝えします。
ワインというお酒
ワインとは、ブドウの果汁に含まれる糖分が酵母の働きによってアルコールに変化してできるお酒のことをいいます。ビールや日本酒のように醸造する過程で水を加えず、果汁そのものがワインになるため、ワインの品質はほぼブドウの品質で決まるのです。
製造方法
赤ワイン
赤ワインは、ブドウの果汁を皮や種と一緒に発酵させてから果汁のみを絞ります(圧搾)。その後、熟成させて瓶詰めされ、瓶内にて熟成されます。
白ワイン
白ワインは、まず果汁を絞ってから(圧搾)、果汁のみを発酵させます。その後、熟成させて瓶詰めされ、瓶内にて熟成されます。
ロゼ
ロゼワインには複数の製法がありますが、最も主流なのは、赤ワインと同じ様に果汁を皮と種と一緒に発酵して、ある程度色が抽出された時点で皮と種を取り除くという製法です。そのあとの製法は赤ワインや白ワインと同様です。
主な生産国
ワインは主に北緯30~50度、南緯30~50度の国や地域で生産されています。主要なワイン生産国としては、フランスやイタリア、スペイン、ドイツ、ポルトガル、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アメリカ合衆国などが挙げられます。また、日本でも各地でワイン造りが行われています。
ワインの歴史
ワインは人類が親しんだ「最古のお酒」と言われており、ジョージアでは紀元前6,000年頃のワイン製造の跡が発見されました。太古の昔から造られてきたワインは、クレオパトラやナポレオンなど、有名な歴史上の人物にも愛されてきたと言われています。
赤ワインと白ワインの違い
ところで、ワインの中でも特にメジャーな赤ワインと白ワインの違いは、どのようにして生じるのでしょうか。次は、赤ワインと白ワインの違いについてお話しします。
赤ワイン
赤ワインは原則、紫色から黒っぽい色の皮で覆われた「黒ブドウ」と呼ばれるブドウが原料になります。その黒ブドウの果汁を絞り、皮や種も一緒に25〜30℃の高めの温度で発酵させて造られるため、皮から果汁に色素が抽出され、赤ワイン特有の色味になっていくのです。
白ワイン
白ワインは原則、黄緑色っぽい色の果皮で覆われた「白ブドウ」と呼ばれるブドウが原料になります。その白ブドウの果汁を絞り、皮や種は取り除き、果汁だけを15〜20℃の低い温度で発酵させるため、果汁の色がほぼそのままワインの色になるのです。
ワインの味の表現の違い
ワインのラベルや紹介文などで、「フルボディ」や「ミディアムボディ」といった言葉が使われているのを見たことがある方も多いのではないのでしょうか。基本的に、赤ワインの味わいは辛口であることが多いため、「辛口」や「甘口」ではなく、「ボディ」という言葉を使って表します。「ボディ」については、ワインを選んだり、楽しんだりするうえでは欠かせない知識になるので、それぞれの味わいについて解説します。
「ボディ」を使った味わいの表現は3種類
赤ワインの味わいは、基本的に「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」の3種類の言葉で表現されます。以下、それぞれの味わいを詳しく見ていきましょう。
ライトボディ
ライトボディは赤ワインのなかでも軽い飲み口のものを指しています。渋みや酸味が穏やかで、フレッシュで軽い口当たりが特徴です。
フルボディ
フルボディはライトボディとは対極的な味わいで、どっしりとした力強い味わいの赤ワインのことを指しています。果実味も濃厚で渋みも強く、コクのある味深い口当たりが特徴です。
ミディアムボディ
フルボディとライトボディの中間的な味わいのワインです。多くの赤ワインが、このミディアムボディに分類されています。
外でワインを頼む時の豆知識
ワインを勉強している人には、外でワインを楽しむ機会も多いのではないでしょうか。そこで、次は外でワインを楽しむときの豆知識をお伝えします。
ホストテイスティング
レストランでワインを注文すると、ホストテイスティングを求められることがあります。これは、「注文したワインに間違いがないか」ということを確認するために行うもの。
方法としては、まずはヴィンテージと銘柄を確認してから実際に味見をし、色や香り、温度に問題がないかを確認します。問題が無ければソムリエにその旨を伝え、ワインを注いでもらうのが一般的な流れです。
もしホストテイスティングをした段階で、もしもワインに不快な臭いや味がある場合には、ソムリエに確認してもらいましょう。ワインに不具合があれば交換してもらうことができます。ただし、「口に合わない」「好みではない」といった理由では交換してもらうことはできません。
なお、ホストテイスティングに自信がない場合はソムリエに任せることもできますが、せっかくワインを勉強しているなら、ぜひ挑戦してみてください。
ワインは健康によい?
ワインを飲んでいるとよく話題に上がるのが、「ワインは健康によいか」ということです。実際、ワインにはさまざまな健康効果があることが解明されており、特に赤ワインに含まれるポリフェノールの一種である「レスベラトロール」という物質に強い抗酸化作用があり、動脈硬化の予防や肥満予防、アンチエイジングなどに効果があると言われています。
また、近年の研究では、赤ワインは認知症やがん、糖尿病などの予防にも効果があるとも言われており、健康の維持を目的にワインを飲む人も増えてきました。
とはいえ、ワインがお酒であることにはかわりありません。そのため、飲み過ぎはかえって毒になってしまいます。あくまでも、適量を飲むことが大切です。
人によって適量は異なりますが、1日あたりグラス1~2杯程度を目安とするといいでしょう。
まとめ
ワインについて詳しくなるためには、用語をただ覚えるだけでなく、味わいについても同時に学んでいく方が、効率的に習得することができます。また、ワインは非常に奥が深く、まんべんなく学ぶには相当の時間がかかるため、独学で勉強するにしても、スクールに通うにしても、楽しみながら根気強く取り組んでいくことが大切です。
イタリアワイン通信講座
イタリアでNo.1になった日本人ソムリエ林基就が企画・監修
ソムリエ林が直接イタリア現地の生産者を訪れ仕入れたこだわりのラインナップを毎月お届けします。
一緒にお届けするテキストには各ワインのテイスティングシートを模範解答付きで掲載。初心者でもわかりやすくワインの個性を知ることができます。