こんにちは、大阪営業所の井手です。
１年間、お届けワインの美味しい飲み方と取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
第6回でお届け
ロンバルディア州
【セミ セッコ（中甘口）】ペルラ・デル・ガルダ|ヴィーノ・パッシート “ドゥラジーボ”
僕はドイツワインに心を惹かれてワインの業界に入りました。
当時バーテンダーだった僕はスーパーで1000円のドイツワインに恋をしました。
ラベルに黒猫の絵が描いてあるワインです。
そこからドイツワインの勉強を始め、格付けが甘い順に7ランクある事を知り衝撃を受けた事を覚えています。
QbA、Kabinett (ｶﾋﾞﾈｯﾄ)、Spätlese (ｼｭﾍﾟｰﾄﾚｰｾﾞ)、Auslese (ｱｳｽﾚｰｾﾞ)、Beerenauslese (ﾍﾞｱﾚﾝｱｳｽﾚｰｾﾞ)、Eiswein (ｱｲｽﾜｲﾝ)、Trockenbeerenauslese (ﾄﾛｯｹﾝﾍﾞｱﾚﾝｱｳｽﾚｰｾﾞ)...
ドイツは甘口に本気だ...
しかし長くワイン業界にいると、
イタリアの甘口ワインのレパートリーの広さに驚きを覚えました。
『赤甘』、『白甘』、『オレンジ甘』、『白泡甘』、『赤泡甘』、『微発泡甘』、『ベルモット』『ジャンルが分からない甘口』この国は何も彼も葡萄から甘口を造る！そして美味しい！
甘口ワインの歴史の長さ＝ワインの歴史の濃さの証明だと感じるようになりました。
甘いだけじゃない。甘くて深いワイン。
貴方は何ジャンルの甘口ワインを飲んだ事がありますか？
この話を聞くだけで、知らない事が勿体無い気がしませんか？
人生を幸せにする甘口ワインの楽しみ方を伝授します！
私のお薦めの甘口ワイン！
・ピエトロ・ベコンチーニ|ヴィン・サント・デル・キャンティ “カラテッロ”
https://store.vinohayashi.com/shop/products/PBVS08
Vin=ワイン Santo＝聖なる 自分で聖なるワインと名乗ってます...
ベコンチーニのヴィン・サントは神がかっています！プロのソムリエがため息吐きながらクチュクチュ口の中で楽しんでいます。なんと15年熟成、シットリ、ほろ苦く、重心の低い深い甘味が長く長く余韻として続きます。時間しか造れない至極の甘口ワインは旨い...
・ルーチェソーレ|ベヴァンダ・アロマティッツァータ “スカンタファーヴォラ” 2015 (500ml)
https://store.vinohayashi.com/shop/products/LSSF
赤ワインの甘口を知らない人が可哀想です。タンニンと甘味は世界が認める幸せの方程式です！
日本茶（タンニン）と和菓子（甘い）、チョコレート＝カカオ（タンニン）＆砂糖（甘い）、コーヒーとケーキ、紅茶と果物、etc...
『ミスターモンテプルチャーノ』と名高いルーチェソーレが造る至極の赤甘！
黒ブドウを甘口ワインに仕上げ、そこにフレッシュなサクランボを投入する反則ギリギリの赤甘ワインです！（表記上リキュールになります）
体験した事がないくらいに素晴らしい美味しさです！ブドウとサクランボが口一杯に広がる夢の国に辿り着きます。
・コルタッチ|ミッテルベルグ ビアンコ・パッシート “アルーナ” (375ml)
https://store.vinohayashi.com/shop/products/KRAR16
では最後にヤベー奴を紹介します。
この甘口ワインは飲まない方が良いです。知らない方が良いです。
プロのソムリエに試飲で持っていくと、美味しすぎて絶句します。その後、少しキレながら注文が入ります。
何故キレるのでしょう？値段が高過ぎるからです！375mlで11,880 円（税込）です。
味を知ってしまうと、注文してしまう依存度の高いワインです。
辛口ワインなら依存性低いですが。甘口ワインは危険な飲み物です...
ゲヴュルツトラミネール70%、モスカート・ジャッロ30%、ゲヴュルツ＆モスカート。
2大スターの共演はいつの時代も反則です。
余談ですが昔は全てのワインが甘かった？
発酵技術が未発達だった為、アルコール度数が上がらず甘口ワインが主流だったそうです。
冷蔵庫が無い時代の保存技術も考えると甘口ワインの方が長期保存ができるので都合も良かったのでしょうね。
飲み頃は？ 開けたてから1ヶ月以上楽しめます！
1ヶ月以上美味しい！ここが甘口ワインの凄いところです！
開けたてに比べて酸味が徐々に強くなってきます。
好みの果実味と酸味を確かめながら楽しめます！
温度帯は？
5度〜8度です。（冷蔵庫の冷蔵室の温度）
私は5度くらいに冷やしてグラスで温度を上げながら楽しむのが好きです。
冷蔵室の温度くらいが良いです。
白ワイングラスでお楽しみください。
味と香り
甘口の中でもセミ セッコ（中甘口）です。酸味と果実味のバランスが素晴らしい！
香り：杏の香り、リンゴの香り。
味：適度な酸味、杏の果実味、完熟リンゴの果実味、蜂蜜。
明るい果実感を楽しめるセミ セッコです。
白ワインの甘口ワインをザックリ分けると、
『シットリ系でほろ苦い陰性の暗い甘み』、『マンゴーや杏、蜜柑の様なフルーツ系の明るい甘み』
今回は明るい甘みなので、食中酒としてペアリングに使う事ができるワインです！
暗い甘みはデザートに合わせる事が多いです。
ベストペアリング
同じような合わせ方で、
・焼きさつまいも、コレうますぎる！香ばしさとネットリ甘味と酸味と甘味が溶け合うって美味しい！
・焼きぐり、同じトーンで香ばしくて甘味が合う！
・アーモンド、香ばしいから合うわ！ハチミツかけるよりサッパリ合うから好き！止まらない！
・アンガスビーフ、美味しい！焼き目の香ばしさと肉の旨みと甘味の同調は深くて旨い！和牛よりガシガシ噛む肉質の方が合います。タレ漬けると最高です！
・スモークサーモン、美味しい！サーモンの甘みを広げながら、スモーク感の香ばしさが心地よい！キャラメルコーティングの柔らかいナッツを食べてるみたいな不思議な味わいです。
・アサリの酒蒸し、アサリのコハク酸の旨味とワインの酸味と甘みが溶け合って美味しい！アサリの新しいペアリング発見です！
・椎茸グリル、凄く美味しい！出汁感と酸味と甘みが見事です！椎茸がトロンってなります！ワインのペアリングに椎茸は最強のパートナーです！
・キュウリ、メロン食べてるみたい！好きなペアリングです！
・もずく酢、フルーツの果実味足されて美味しい！
・ブリ照り、旨い！甘濃い醤油と同調してずっと旨い！
明るい甘口ワインとフルーツの相性は絶品です！
・メロン、めちゃくちゃ美味しい！メロンの果実感に杏が補填されてマジで旨い！
・ピオーネ、酸味の強さが一緒で、ブドウの果実味と杏の果実感が補填されて美味しい！
・パイナップル、コレも美味しい！パイナップルの酸味と同調して美味しい！
・バナナ、単調なバナナの甘みにワインのコクが補填されて深みが増す！
・スイカ、瓜科の青い果実感を杏のマッタリ感で補填して美味しい！
・ヨーグルトプレーン、コレはベストペアリング！ヨーグルトの乳酸と杏の果実味が合う！セミセッコがベスト！
青カビ、スモークチーズ、フレッシュチーズは特に感動のペアリングでした！
最後に！
・カステラ、合うね！ハチミツかけたみたい！ベストペアリング！
結論 セミセッコの懐の深さを、ペアリングするプロのソムリエはもっと気付くべきだ！
井手のベスト漬物
・ハチミツ梅、美味しい！ハチミツと杏が同調する！美味しい！
▶︎ 第6回【スパークリングワイン】ムラトーリ|フランチャコルタ “ヌーメロゼロ” ドザッジョ・ゼロ NV
Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。 O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人！ 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。
