いつもご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
Vino Hayashi つるおかでございます。
第8回イタリアワイン通振講座のワインは
・ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ
クラッシコ “イッポカンポ”
・モンテファルコ・ロッソ
の2種類をお届けしました。いかがでしたでしょうか。
今日は少し補足説明をしながら、p12～13とp17でご紹介したワインを中心に、お勧めワインをご紹介いたします。
マルケ州の土着品種「バラの香りの赤ワイン」とは
マルケ州はイタリア中部、アペニン山脈とアドリア海の間に位置しています。美しい山脈や丘陵地など壮大な自然に溢れているほか、『セビリアの理髪師』で知られるオペラ作曲家ロッシーニの生誕の地や白トリュフ、高級皮革製品メーカー、ジュエリーメーカーが多いことなどでも有名です。
マルケ州を代表するブドウは酸やミネラル、旨味が特徴的な「ヴェルディッキオ」。生産エリアはアドリア海側のイエージ地区と、アペニン山脈側のマテリカ地区の2ヶ所に分かれています。お届けしたワインはイエージ地区のものです。
イェージ地区の近郊では、珍しい赤ワインも造られているのでご紹介します。ラクリマという品種です。ワインは紫がかったルビー色で、バラやスミレなどのアロマティックな香りが最大の特徴。イチジク、梅、シソ、バルサミコ、ショウガ、スパイスなどが香るものもあります。華やかな香りに加え、味わいには果実味があります。店頭ではなかなか出会うことができない銘柄の一つですが、これぞイタリアの土着品種。マルケ州以外では栽培されていないので、この州の個性を楽しみたい方にはオススメです。
バラの香り薫るセクシー赤ワイン
テヌータ・サン・マルチェッロ|ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ “バスタロ” 2018
4,180円（税込）→VIP会員価格3,762円
マルケ州のモンテプルチャーノ
モンテプルチャーノといえば、アブルッツォ州のものが多く流通していますが、マルケ州でも主要な黒ブドウのひとつとなっています。特に、州都アンコーナ南部ではコーネロという銘柄が最高格付けDOCGとなっています。お送りしたヴェルディッキオの生産者ルーチェソーレでは、このコーネロDOCGを生産しています。じっくりと長期間熟成させてからリリースしているため、Vino Hayashiで取り扱っているコーネロは約10年熟成のヴィンテージとなっています！！
今日ご紹介するのは、そのルーチェソーレが造るお手頃価格のモンテプルチャーノ。こちらはロッソ・コーネロDOCですが、リゼルヴァであるコーネロDOCGよりも普段使いにお楽しみいただけるタイプ。カンポフィオリート＝お花畑というワイン名が付いたワインです。
ブルーベリーやチェリーといった果実や黒スパイス、キノコなどの香り
ルーチェソーレ|ロッソ・コーネロ “カンポフィオリート” 2018
4,180円（税込）→VIP会員価格3,762円
イタリア半島の中央部に位置するウンブリア州
ウンブリアはイタリアで唯一、海にも国境にも接していない州で、山々に囲まれ食材も豊かな土地であることから「緑の心臓」とも呼ばれています。州の東側にはアペニン山脈が聳え、中央には「ウンブリアの谷」が50kmに渡り広がるという、山と谷が織りなす地形です。
山間で冷涼な気候となるため、ブドウの果皮が厚くなることから、しっかりしたボディを持つ赤ワインが造られています。中でも濃厚さを誇るサグランティーノはモンテファルコ近郊でしか栽培されておらず、孤高の品種と言えます。
ウンブリア州は観光旅行では寄り道する程度となりがちですが、ペルージャやアッシジ、グッビオ、スポレート、オルヴィエートといった中世の雰囲気を色濃く残す美しい丘の町が点在しており、食文化も豊かなので、イタリアをもっと知りたい上級者の方の滞在にお勧めです。
サグランティーノの特徴は力強いタンニン
第8回でお送りした赤ワイン、モンテファルコ・ロッソは、土着品種サグランティーノの生産者が造る普段使い用のワインと言えます。サグランティーノは世界一タンニンが強い品種として知られていますが、普段からそんな強いワインばかりは地元の人でも飲めません。。そこで、モンテファルコ・ロッソではサンジョヴェーゼを主体とし、サグランティーノは10～15％だけ使用するのが規定です。サグランティーノの力強さのニュアンスを感じながら、早飲みができるような仕上がりとなっています。
一方、その噂の「モンテファルコ・サグランティーノDOCG」はサグランティーノ100％で造られるワイン。木樽熟成も12ヶ月以上しなければいけません。約3年以上熟成させてからリリースとなりますが、できれば更なる熟成を経てから飲むのがお勧め。これこそ長期熟成を楽しむ1本と言えます。個人的にも大好きなワインで、我が家の小さなセラーの中には15年以上熟成させたサグランティーノが何本か眠っています♪
ハレの日のお宝ワインに
9,020円（税込）→VIP会員価格8,118円
過去の記事はこちらからご覧いただけます。
【第2回】ピエモンテ州のワインはいかがでしたか
【第3回】ヴァッレ・ダオスタ州＆リグーリア州のワインはいかがでしたか
【第5回】ヴェネト州&フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州のワインはいかがでしたか
【第6回】ロンバルディア州のワインはいかがでしたか
【第7回】トスカーナ州のワインはいかがでしたか
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Vino Hayashi つるおか
イタリアソムリエ協会（AIS）認定ソムリエ。 東京都出身。B型。
サグランティーノ、ヴェルディッキオ、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノなど、中部イタリアのワインとロマネスク建築と猫が大好き。Vino Hayashi頒布会では『イタリアワイン通信講座』を制作。『月刊DOCG』『Vin Voyage』ディレクター。
