ナポリ在住の鈴木です。
イタリアで「Natale(クリスマス)」の次に重要なお祝い事に「Pasqua(復活祭)」*英:イースター*があります。
今回は「サルデーニャ州」です。
島の約60%の面積が丘や山で、これまでスペイン、アラブなど他民族の支配を受けていたサルデーニャ島は、イタリアの中でも特異な文化を持つ。
料理、ワインも独自の文化が根付いています。
それでは、サルデーニャの方達が必ず食べる、イースター特別料理をご紹介します。
1) Suppa cuatta (スッパ・クアッタ)*地元名*/ Zuppa Gallurese (ズッパ・ガッルレーゼ)
ガッルーラ風スープと名前の付いたサルデーニャ州北部の料理。見た目はラザーニャそのもの。ブイヨンで香味野菜とボイルした牛肉または羊肉を、ブイヨンごと器に移し、パンまたはパーネ・カラサウをミント、フレッシュチーズ、ペコリーノ・サルドチーズと一緒にのせていき、更にオーブンで焼いたもの。
2) Culurgiones (クルルジョネス)*地元名*/ Ravioli sardi(ラヴィオーリ・サルディ)*正式名*
餃子のような形をした詰め物パスタ。マッシュポテトにニンニク、ペコリーノチーズ(「Fiscidu」フィシドゥ)、ミントを加え混ぜた具材をパスタ生地に詰め、茹でたパスタをトマトソースと合わせた料理。
3) Pillus (ピッルス)
カンパーニャ州のマファルデに似た、幅の広いロングパスタとウサギ肉をペコリーノ・サルドチーズ、トマトソースで合わせた料理。
4) Pardulas (パルドゥーラス)
見た目がシチリア州のカッサテッラにも似たサルデーニャ州の伝統菓子。具材には羊のリコッタチーズ、オレンジピールまたはレモンピール、少量のサフランを加えるのが特徴。
*メインディッシュは仔羊または仔ヤギのオーブン焼き*
サルデーニャ島の別の地域の料理もご紹介します。
<Tradizionale di Campidano>(カンピダーノ編)
1) Malloreddus alla Campidanese (マッロレドゥス・アッラ・カンピダネーゼ)
2016年に新設された南サルデーニャ県の一つ元メディオ・カンピダーノ県の郷土料理で、特産品パスタ/コンキリエッティ・リガーテ(ニョッケッティ・サルディ)というショートパスタにサルシッチャの具とトマトで作ったソースを和えた料理。
2) Anguilla al sugo (アングイッラ・アル・スーゴ)
ブツ切りにしたウナギをニンニクまたはタマネギで炒め(香り付け)し、トマトピューレ、ローリエで煮込んだサルデーニャ州の伝統料理。
3) Cordula (コルドゥーラ)
サルデーニャ州の伝統料理で、仔羊の臓物(胃、腸)を一束に捻りながらまとめたものをソテーし、グリーンピースまたは空豆を和えたもの。
4) Seadas (セアーダス)またはSevade (セヴァーデ)
メダル型のパスタ「メダリョーネ」のデザート・サルデーニャ版。フレッシュのペコリーノ・サルドチーズをベースにレモン、オレンジの皮、砂糖を加え具材を作り、直径10~12cmのパスタ生地で挟み、油で揚げたお菓子。仕上げにハチミツ(アカシアや栗など)をかけるのがポイント。
*補足*
「復活祭」では、一般的にイタリア全土で朝食、または前菜としてゆで卵、野菜はアーティーチョーク、メインで仔羊を使った料理、デザートにはチョコレートを食されます。
*現地で合わせるワイン*
・ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ
・ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ
・カリニャーノ・デル・スルチス
・カンノナウ