ナポリ在住の鈴木です。
前回、三重県伊勢志摩にて行なわれた「G7」主要国首脳会議が今年はここイタリアの南部シチリア島タオルミーナで5月26-27日に行なわれました。
昨年7月にはイギリスで、12月にはイタリアで、年が明けた1月にはアメリカでそれぞれ首相、大統領が交代。
初めて国際首脳会議に参加する各国首脳陣には、近年人気・実力とも急上昇のシチリア産ワインが振舞われました。
シチリア島は歴史的に、ギリシャ人、アラブ人、北方系ゲルマン人、フランス人、スペイン人など様々な民族によって入植、統治の繰り返された火山の島シチリアは、アーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツを始めとするナッツ類、ブラッドオレンジなどの柑橘類、ノチェッラーラ種などのオリーブ、パッキーナ種トマト、カカオなど農作物が育つミネラルが大変豊富な土壌環境が特徴的です。
中でも、シチリア島西部の町マルサラでグリッロ、インツォリア、カタラットなどシチリア土着品種と呼ばれるブドウで作られるマルサラ酒は世界的に有名。
北イタリアのワイン作りの補填の為、ブドウを出荷し続けたシチリアは、温度管理のし難かった時代に生み出されたこの「酒精強化ワイン」作りから、ワイナリー設備の近代化とともに、自分たちのワイン作りを始めるようになると同時に、自然を愛するシチリア人は時代の流れにのり、有機農法も推奨するようになります。
近年小麦、大麦、ライ麦など、麦類に含まれているたんぱく質の一種・グルテンの摂取量を控えようとする「グルテンフリー」という運動が特に欧米を中心に叫ばれている中、イタリアの調査研究機関の発表によると、イタリアでは「有機農法」で作られるワインの生産量が年々増加傾向にあります。。
昨年日本は世界各地からのワインの輸入額は前年を2.0%減少し、イタリアからの輸入額は前年より1.8%増加しました。
特に日本でも徐々に市場に定着しつつあるビオ・ワイン(定義に関しては様々な見解があるため今回は省略したい)も生産増加傾向にある。
イタリアでは年々減反傾向のあるブドウの栽培面積だが、こと「有機農法」の畑に関しては2009年には43,6万ヘクタール(全体の約1/10程度)だったのに対し、2015年には83,6万ヘクタールへ増加。
特に顕著なのが、まさに2017年サミットの行なわれるシチリアはここ7年で約3倍にまで増加している。
元々生産量はイタリア第1位(昨年より、トスカーナ州が生産量でプーリア州を追い抜く)ではあるが、今ではイタリア全体の3割にも及ぶ規模にまで成長。
中でもタオルミーナから西へ50kmの位置にある「エトナ火山」周辺で作られるワインが素晴らしい。