「まじめに面白がる」をテーマに、毎月ひとつの土着品種を深掘る「イタリアワイン土着品種研究会」
今回は春先に飲みたい品種『グリッロ』を楽しむためのペアリングを解説していきます。
興味がある方は最後までお付き合いください。
【グリッロのワインはこちら】
▷▶ムシータ|シチリア レジエテッレ グリッロ
1 グリッロの外観・香り・味わいの分析
【外観】
濃淡は淡い~やや淡い、色調はグリーンイエロー~レモンイエロー~麦わら色、透明度は高く澄んでいる。
粘性は中程度~やや強いものが多いが、アルコール度数と比較して強めの印象があり、テイスティングの結果、グリセリン含有量が高いと思われる。
【香り】
印象は爽やかで、レモンやグレープフルーツを中心とし、ライムやオレンジなども含む柑橘類、そして青りんご、セージやミントなどのハーブは共通して感じられ、オレンジの花、潮風が運んでくる海のニュアンス、火打ち石や石灰などのミネラルの香りも存在した。
【味わい】
レモンのようなフレーバーの果実風味、爽やかでイキイキした酸は中程度からやや高め、アルコールは中程度(12.5-13%)、特筆すべきははっきりとした塩味である。
テイスティング後にはグラスに塩の跡が残るほどであった。余韻には軽い苦味がある。舌触りはややとろみがあるものが目立った。
【まとめ】
一部のワインを除き、シンプルでフレッシュさを楽しめる柑橘風味のドライな味わいのものが多い。
高めの酸とミネラルが味わいの骨格となり、海を連想させる。
基本的には2年程度で消費したい早飲みタイプであるが、3~5年程度の熟成で個性を発揮できそうな複雑さを持つものもあった。
提供温度は約8-12℃程度で、それぞれのワインの持つ複雑さやボディにより微調整したい。
2 .グリッロのペアリングは?
ペアリングのポイントは?
レモンのような風味や酸、ハーブのような爽やかな香りがあるので、レモンやハーブを添えるとより一層美味しさが引き立つような料理に合わせたい。
またワインの含む塩気もポイントとなる。生や加熱に関わらず、さまざまな魚介料理とは違和感なく合わせられるだろうし、野菜料理、白身肉料理とも良いだろう。
パスタ料理やフレッシュチーズとの可能性も大きい。グリッロのワインは、他の多くの土着品種同様、ワイン単体で楽しむというより、食事とともに楽しむフードフレンドリーなワインであるといえる。
【おすすめの料理は?】
Pasta con le sarde(鰯とういきょうのパスタ)/Parmigiana di melanzane(茄子とチーズの重ね焼き)
【その他】
魚介のマリネやフリット/魚・鶏肉のグリル/フレッシュ~やや熟成したタイプのチーズなど。
イタリアワイン土着品種研究会とは?
毎月ひとつのテーマ品種の歴史、特徴、ペアリングなどの解説付きテキストとテーマ品種のワインを2本から3本お届け。
\こんな方におすすめ/
✅ワインショップやレストランに取り扱いがない土着品種に興味がある方
✅知らない土着品種を味わってみたい方
✅ペアリングの基本を学びたい方
✅日本未入荷のワインを愉しみたい方
✅品種の特徴を理解して好みのワインを選べるようになりたい方
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