いつもご愛顧いただき、誠にありがとうございます。Vino Hayashi つるおかでございます。 1年間、お届けしたワイン以外の追加情報を州のテーマに沿って皆さまにお伝えしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
イタリアワイン通信講座、第一回のワインは
・<白ワイン> ソーヴィニヨン・ブラン(アルト・アディジェ地方)
・<赤ワイン> スキアーヴァ(アルト・アディジェ地方)
の2種類をお届けしました。
今日はトレンティーノ=アルト・アディジェ州の補足説明をしながら、同州で造られている個性溢れるお薦めワインをピックアップしてご紹介いたします。 是非知っておいていただきたいものですので、p14~15の地図と「トレンティーノ=アルト・アディジェ州を代表する銘柄といえば、これ!」を参考にしながらお読みください。
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協同組合ワイナリーが多いアルト・アディジェ地方
アルプス山脈の山間に位置するトレンティーノ=アルト・アディジェ州では2,000m級の山々が聳え立っています。
州の北側はアルト・アディジェ地方。南側はトレンティーノ地方という2つのエリアから成る州で、お送りしたワインは北側のアルト・アディジェ地方で造られたものです。
生産者コルタッチはこの地域で多くみられる協同組合のワイナリー。協同組合と聞くと、安い大量生産のイメージを持たれるかもしれませんが、イタリアのワイナリーにおける協同組合はそれとは異なります。「良いブドウを高く購入する」といったシステムが成り立っており、むしろしっかりとワイン造りに取り組めているといった印象です。
アルト・アディジェ地方では特にこのような協同組合が多く、アルト・アディジェワインの7割以上は協同組合で生産されています。
華やかな香りのゲヴュルツトラミネール
別名南チロルと呼ばれるアルト・アディジェ地方は、第一次世界大戦まではオーストリア領でした。オーストリアにとって「南部」であったこの地域では、 黒ブドウの栽培が主流でした。 イタリア領となってからはイタリアの「北部」という認識に変わり、徐々に白ブドウに植え替えられていった経緯があり、現在では生産量の64%が白ワインとなっています。
アルト・アディジェ地方のワインは単一ブドウ品種で造られることが多く、そのような場合はワイン名=ブドウ品種名として、ラベルに記載されるケースが一般的です。
イタリアワイン通信講座では代表的な国際品種のひとつソーヴィニヨン・ブランの白ワインをお送りしました。これとは別に、今日は香りの王様とも言われるゲヴュルツトラミネールをご紹介します。
ゲヴュルツトラミネールはライチや白系スパイスのような華やかな香りが特徴のワインで人気があります。 アルト・アディジェ地方ではピノ・グリージョに続いて多く栽培されている品種です。 白ワインですが、ブドウの果皮は薄くピンクがかった色をしています。このような色のブドウはグリ系と言われており、ピノ・グリージョや山梨県で栽培される甲州などもグリ系の品種です。
ピノ・ネロの産地としても有名
アルト・アディジェ地方を代表する黒ブドウのひとつに、ピノ・ネロが挙げられます。フランスのピノ・ノワールのイタリア語読みです。
ピノ・ネロはデリケートな品種なので栽培が難しいとされますが、冷涼な気候であるアルト・アディジェ地方ではイタリアの中でもクオリティの高いピノ・ネロが造られることで知られています。
Vino Hayashiではアルト・アディジェ地方のピノ・ネロの取り扱いもありますが、ちょっと違う角度から!お手軽且つ珍しいピノ・ネロのロゼをお薦めいたします!
山のスプマンテ (トレンティーノ地方)
次は、南部に位置するトレンティーノ地方を見ていきましょう。州都はトレント。こちらもアルプス山脈のエリアに位置する町で、辺りは山脈といった地域です。
トレントDOCといえば、F1の公式スパークリングワインとして採用されている「フェッラーリ」でも知られています。まさにこの地でスプマンテ造りを始めた元祖ワイナリーです。
イタリアのスプマンテの代表格としてはフランチャコルタが挙げられますが(第6回でご紹介します)、トレンティーノ地方で造られるスプマンテもクオリティの高さで定評があります。是非覚えておきたい銘柄の一つです。
トレンティーノ地方を代表する黒ブドウ「テロルデゴ」
p14でご紹介している「トレントの王子」という言葉に興味をそそられた方も多いのではないでしょうか。トレントの北側に位置するロタリアーノ平野で造られている品種「テロルデゴ」。イタリアらしいマニアックな土着品種なので、入手困難なアイテムですが、イタリアワインを探求するVino Hayashiでは取り扱っております!!
トレンティーノ地方を代表する黒ブドウで、ワインの色は濃厚。熟したチェリーやブルーベリーなど、森の果実中心のフルーティーなアロマをはじめ、ブラックペッパーやミントのような涼しい香りも広がります。ライトボディタイプからフルボディタイプまで、さまざまなテロルデゴのワインが存在しますが、共通しているのは、色が濃く、フルーティーであること。重すぎることはなく、酸とタンニンが心地よくドライな味わいなので、前菜からメインディッシュまで幅広く料理と合わせることができます。
テロルデゴを飲んだら、プロのソムリエにもドヤ顔できちゃいますよ(笑)
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Vino Hayashi つるおか
イタリアソムリエ協会(AIS)認定ソムリエ。 東京都出身。B型。
サグランティーノ、ヴェルディッキオ、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノなど、中部イタリアのワインとロマネスク建築が大好き。Vino Hayashi頒布会では『イタリアワイン通信講座』を制作。『月刊DOCG』『Vin Voyage』ディレクター。