
こんにちは、塾長の井手です。
毎月お届けするワインの取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。美味しい飲み方やペアリングのポイントをぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や理論、独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
9月お届けワイン
【赤】テヌータ・サンタ・カテリーナ|バルベーラ・ダスティ スーペリオーレ “セテカピタ” 2016

飲み頃は?
2日目です!
開けたてから味は素晴らしい!しかし、香りにゴムの香り(硬い香り)を感じます。
3日目以降に香り味わいがブルーベリー系に変貌するワインです!
※抜栓後は1番低い温度のワインセラーか冷蔵庫の野菜室で保管してください。ワインが開く前に酸化します。
ファインワインと付き合う秘訣は焦れずにゆっくり整うのを待つことです。
温度帯は?
16度〜20度
ボトルを握って少しヒヤッとする温度
抜栓後、セラーがない場合は冷蔵庫の野菜室で保管してください。
2日目以降は野菜室から30分〜60分前に出して温度調整してください。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)

赤果実系
赤果実系とはピノ・ノワールやネッビオーロ(バローロ)を代表する酸味が強く、色調が赤く濃淡がやや薄い特徴を持つジャンルです。
※赤ワインは大きく分けて
赤果実系のジャンル(ピノ・ノワール等)
黒果実系のジャンル(メルロー等)2種類に分かれる事が多いです。今回は赤果実系の特徴が色濃くでる品種です。
凄く勉強になる品種なのでしっかり楽しみましょう。
(ジャンル分けは井手独自の感覚のジャンル分けです)

タイプ
赤果実系で酸味と果実味と鉄分が強いタイプ(代表品種はバルベーラ)
若いビンテージは軽く感じるのですが熟成が進むとコクが出て立体感が生まれます!
そして、高級バルベーラは唯一無二のスペシャルワインに変貌します。
特徴
バルべーラは唯一無二の品種です!酸味と果実味と鉄分のバランスが整うとネッビオーロ(バローロの品種)を超えるポテンシャルを秘めています。
エレガントな酸味とコクのある果実味、強い鉄分は人を魅了する香りと味わいになります。ワイン業界内でエロい香と比喩される品種は鉄分の強いネッビオーロとバルベーラと熟成したピノ・ノワールに多く使われます。(鉄分=血のような香りと味わい)
しかし!ビンテージが若いと『尖った酸味』と『エグ味のある若い果実味』と『鉄分』のバランスが悪くて美味しくありません。セラーで熟成させるか、抜栓して時間系経過でワインが整うのを待ちましょう。

1日目 香りは硬いですが、梅肉醤油の様な酸味と香りと旨味を感じます!
香り:墨汁とタイヤ、(硬いワインの香り)、鉄分、醤油の香り。
味:エレガントな酸味、鉄分、梅肉、出汁の旨み。
2日目、ゴムやタイヤの香りが抜けた!香りが開いた!
香り:巨峰の香り、ブラックチェリーの甘い香り、軽くエーテル、鉄分。
味:ブラックチェリーの果実味と甘味が出た、鉄分。
3日目、ブルーベリーに変わった!
香り:香りがブルーベリー系に変わった、セメダインの様な香り=高級ワイン特有の香り。
味:ブルーベリーの果実味、甘味を少し感じる、鉄分、
4日目、酸味、果実味、アフターの余韻と流れる様(ここ大切です)に心地よい!
香り:ブルーベリーの香りが強くでた。
味:鉄分が強く出てきた。タンニンもしっかりドライ。
結論
開けたては『これぞバルベーラ!』と言う感じの『梅肉と醤油』の味わい、
3日目から『鉄分と酸味たっぷりのブルーベリー味』に変貌します!
変化の過程が凄く面白いワインです!ここまで変わるのか?と感じる程です。
温暖化の影響を感じます。
※美味しいバルベーラを探すコツ!
最低でも3年以上熟成している事、5年以上熟成が理想です!

ペアリングポイント!
『醤油系の赤ワイン』とペアリングするポイント3点!
1、コクが出て醤油のような味わいになったバルベーラは魚介と相性が良い!
イワシや秋刀魚、ブリなどワインが難しい食材も合わせる事ができます。
2、ワインの鉄分のニュアンスを鉄分の強い食材と合わす!
醤油で調理すると鉄分と香りの同調が膨らみます。マグロやカツオも鉄分たっぷりです。
3、牛肉は合わない(酸味で甘味を切ってします)、鉄分の強い鴨や豚の方が合う。
赤果実系のワインは牛肉全般合いません。※特に和牛!牛肉の甘味を酸味とタンニンで切ってしまします。

イワシの梅煮、イワシの鉄分、醤油と梅の酸味と香りと旨味、全て同調します!梅肉多めがポイントです!(イオンで売っているレンジでチンするだけの梅煮もお勧めです)

・椎茸の塩焼き、ワインの鉄分が醤油かけたみたい!旨すぎ!絶対合わせるべき組み合わせです!
・マッシュルーム、合う!マッシュルームの木の香りがワインの鉄分と合わさって美味しい!アフターも樽感がバターみたいに広げる!

・鳥レバーの甘露煮(惣菜)、旨い!酸味がマイルドになる!鉄分が同調して旨味と樽感が補填されまくり!
・鴨胸肉、鉄分が同調して合うね!高級な醤油に浸けたみたい!

・豚バラ塩焼き、好きな合わせ方!脂身をサッパリさせて豚の鉄分と同調する!

・焼きイカ(惣菜)合う!醤油つけているみたい!

・マグロ、赤身、中トロ、二日目以降のバランスが整う状態だと塩だけで合う!醤油を付けたイメージ!
・しめ鯖、合うな、生臭くない!醤油かけたみたい!
結論 醤油系ワインは鉄分の同調、果実味の補填を狙うと良いペアリングになります。
赤ワインに海鮮系をペアリングする上級者のペアリングをお楽しみください!
赤ワイン全部お肉と合う。は嘘です!
前回同様ですが赤果実系の殆どが牛肉(赤身、脂身)と相性が悪いです。ソムリエでも知らない方が多いので合わない感覚を是非試して欲しいペアリングです。実体験で覚える事がペアリングは重要です!
井手のベスト漬物 しば漬け、香り広がる!旨い!カシス感と柴漬が合わさって美味しい!

漬物ではないですが昆布の佃煮、フジッコのふじっ子煮シリーズは凄く合います!特におかか昆布は絶品です!

井手のベストポテチ スッパムーチョ梅味 香りが同調して美味しい!ペストペアリング!

Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。