
こんにちは、塾長の井手です。
毎月お届けするワインの取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。美味しい飲み方やペアリングのポイントをぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や理論、独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
10月でお届けワイン
【白】ヴィート・ジョイア|テッレ・シチリアーネ ジビッボ “シロッコ” 2024

飲み頃は?2日目以降です!
抜栓してすぐ香りも味も美味しいですが僅かな微発砲を感じます。
(※僅かな微発砲は南の白ワインに多く感じます)
2日目以降に微発砲が抜けて香りが広がります!
抜栓後5日以上美味しい状態が続きます。
温度帯は?
8度〜10度、香りも楽しみたいので少し高めで!
冷蔵庫の野菜室の温度くらいが良いです。
抜栓後は冷蔵庫の野菜室で保管してください。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)

エキゾティック系のワイン
エキゾティック系とは果物の『ライチの特徴』を感じるレアタイプのワインです。
ライチの様な香りと果実味が口一杯に広がります!この香りが出る品種は限られており、
私の知る限り『ゲヴュルツトラミネール』と『マスカット・オブ・アレキサンドリア(ジビッボ)』のみです。出会うことの少ない香り故にレアジャンルになります。
香りが強いワインなので、香りの強い食材やハーブと合わせると爆発的に香りが広がります!
私の好きな『香りと香りを重ねるペアリング』になります!
エキゾティック系は個性が強いジャンルなので『料理に香りと味わいを補填し過ぎて』料理へのリスペクトを欠きます(味変してしまう)。なので合わせる場面は限られてきます。
しかし、使い所を把握すれば、スペシャルなぺリングを幾つも生み出す事ができます。
(ジャンルは井手独自の感覚のジャンル分けです)

タイプ
エキゾチックでドライな味わい!
今回お届けのジビッボはエキゾチックでドライな味わいです。
エキゾチック系の味のポイントは『ドライ』か『甘い』かです。
代表的な『ゲヴュルツトラミネール』はセミセッコ(ちょい甘)に造られる事が多く、
『ジビッボ』はドライで造られる事が多いです。
これは好みですが、食事中に甘味が強過ぎるワインは、料理の塩分を感じる分『デザートワイン?』と思えるくらい甘味を強く感じやすくなります。
私はペアリングで使う時はできるだけドライな味わいを選びます。

抜栓 1日目 開けたてからライチや梨、青リンゴやシトラスとで全開で香りがでます!
僅かに微発砲します(※僅かな微発砲は南の白ワインに多く感じます)
微発砲を抜きたい場合は栓した状態で軽く振ってください。
香り:青リンゴ、シトラス、熟したライチ、梨。
味:僅かに微発砲、青リンゴ、ライチ、梨、アルコール感。
抜栓 2日目 ジャスミンの様な清涼感がでてきた!
香り:ライチ、ジャスミン、シトラス、青リンゴ。
味:微発砲が抜けて果実味を強く感じる様になった。
抜栓 3日目 シトラスが抜けてメロンの香りがでてきた!
香り:ライチ、ジャスミン、メロン、青リンゴ。
味:味わいは変化が少なく良い状態が続く。
抜栓4日目 全然風味が落ちない良いワインです!
香り:変わらず良い状態です。
味:変わらず良い状態です。
結論
開けたてからアロマティックで瑞々しいワインです!
ただ、2024年のヴィンテージは私がイメージしていた味わいと少し違うワインでした。
後1年熟成させると、酸味が穏やかになりライチの香りにシナモンの様な陰性の香りも溢れてきます。
この陰性のスパイス感がでるとエキゾティック系は魅惑のワインに変貌します!
これは、年毎のブドウ味で変化するワインと言う飲み物の魅力でもあります。
今回のワインのペアリングを当初の合わせ方と少し変えます。
ペアリングのポイント!
・エキゾティック系のワインはハーブやスパイスとの相性が良くスペシャルなペアリングになります!
相性の良い食材と組み合わせてください!特に『バジル、青シソ、ワサビ、ローズマリー、ミント、クミン、カルダモン、キャラウェイ、フェンネル、アニス、シナモン』は相性が良いです!


ベストペアリング

鶏もも肉、ライチや青リンゴの香りが補填されて美味しい!ベストペアリング!
地鶏の様に香りの強い方が『香りに香りを合わせるペアリング』になります!
ネギの香りも相性良いので、『ねぎま』もベストペアリングです!

・牛タン、美味しい!牛タンの旨みはそのまま、ワインの清涼感が合う!ベストペアリング!

・椎茸塩焼き、香りの同調ある!新しい椎茸の香りになる!松茸みたいな香りに変身。

・今回のワインはお野菜との相性も素晴らしいワインです。
・旬を迎える、ほうれん草、ツルムラサキ、チンゲンサイ、春菊、等
ボイルか蒸した状態に上記のハーブやスパイスを色々合わせて、ポン酢か麺つゆをかけてください!新しいお浸しが完成します。野菜とハーブ&スパイスの香りが同調して鼻腔まで広がるペアリングになります!
・ズッキーニ、長茄子、シシトウ、ピーマン、長ネギはグリルで少し焦がしてワインをソースにしてください。食材の青味と焦がした苦味にワインの瑞々しい清涼感が心地よく合います!
・水茄子(生)は手で割いて塩で食べてください。茄子の瑞々しい青い甘味とエグ味がワインの酸味と香りが補填されて不思議な香りのペアリングになります。
・豚肉、ラム肉、等はワインの酸味でさっぱりさせてアロマティックな果実味が補填され無限に食べれる組み合わせです。

・アサリや蛤のグリルや酒蒸しはアロマが足されるイメージで酸味と香りが補填になり味わいが広がります。
・枝豆、だだちゃ豆、黒豆も良いペアリングです!
結論
美味しい柑橘系は合わせるジャンルが広いです!
特に春夏の野菜は、ワインが香豊なポン酢のイメージで旬をシンプルに楽しめます!
井手のベスト漬物は
・胡瓜漬物、沢庵
井手のベストポテチ 「ワサビーフ」
コンソメの香ばしいさに香りがが補填されて美味しい!

▶︎第10回【赤】ピエトロ・カチョルニャ|エトナ・ロッソ “チャウリア”
Vino Hayashi 井手
大阪営業所長
J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー
横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。O型。42歳。
ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人!好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。