
こんにちは、塾長の井手です。
毎月お届けするワインの取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。美味しい飲み方やペアリングのポイントをぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や理論、独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
10月でお届けワイン
【赤】クパーノ|ヴィーノ・ロッソ クパーノ鶏
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの3rdライン。

飲み頃は?
開けたてからゾクゾクする高級ワインの香りがします!
しかし、3日目以降に味わいが整い素晴らしポテンシャルを発揮します!
5日目も美味しいファインワイン!
低め設定のワインセラーか冷蔵庫、できれば野菜室で保存をお願いします。


温度帯は?
高級赤ワインは基本的に閉じて香りが出にくいです。
少し高めの18度〜22度
野菜室から出して室温で40分〜60分時間を置いた温度。
抜栓後はセラーがない場合は冷蔵庫の野菜室で保管してください。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)

赤果実系と黒果実系の特徴が混在するタイプ
赤果実系とは
ピノ・ノワールやネッビオーロ(バローロ)を代表する酸味と鉄分が強く、色調が赤く濃淡がやや薄い特徴を持つジャンルです。
黒果実系とは
カベルネソーヴィニョン、メルロ、シラー、サンジョヴェーゼ、モンテプルチャーノ、プリミティーヴォを代表する果実味が強く、色調が赤黒く濃淡が濃い特徴を持つジャンルです。世界中で造る赤ワインの大部分はこのジャンルのワインです。
※赤ワインは大きく分けて赤果実系のジャンル(ピノ・ノワール等)と黒果実系のジャンル(メルロ等)2種類に分かれる事が多いです。
しかし!偉大なワインは、味、香り共に『要素が多くどちらの特徴も併せ持つワイン』に仕上がる事があります。鉄分が強く長期熟成可能なサンジョヴェーゼやアリアニコは特にです!
サンジョヴェーゼは黒果実系、赤果実系、識る上で凄く勉強になタイプなのでしっかり楽しみましょう。
(ジャンルは井手独自の感覚のジャンル分けです)

タイプ
黒果実系のカシスの様な濃厚な果実味と(代表品種はメルロー)
赤果実系の鉄分と旨味が強いタイプ(代表品種はネッビオーロ)
サンジョヴェーゼは偉大なブドウです!
サンジョヴェーゼを語る上で重要なポイントになる事があります!
1、果実味タップリの『黒果実系』になるタイプ
2、エレガント系の『赤果実系』になるタイプ
3、その両方の果実味と旨味の特徴を持つタイプ
この『3種類』が存在する事を知って下さい!
プロのソムリエでも、ファインワインに成る程、熟成したサンジョヴェーゼと熟成したネッビオーロの見分けがつきません。私も何度もブラインドテイスティングで間違えました。個人的な見解ですが、熟成すると酸味と鉄分と旨味の味わいが似てくると感じます。特に鉄分と旨味は類似する味わいに感じます。
今回のワインは鉄分とタンニンが強いワインなので煮込み料理との相性が良いワインになります。
牛ステーキや焼肉は合いません!ミートソースや煮込みハンバーグが合います!

1日目 いきなり高級ワイン特有のエーテル(セメダイン香)がでている!ゴムの香りは硬い状態。
香、ゴムの香り、エーテル(セメダイン香)、鉄分、熟したカシス。
味、カシスの甘味、鉄分、細かいけどザラっとしたタンニン、アフターに樽のバニラ感。
2日目 エーテルが強くでる!香りは最高に良い!まだゴムの香りが少し残る。
香、エーテルとゴムの香りが混ざる、その後樽香とカシスの香りが重なっている。
味、柔らかい酸味、果実味と同時にタンニンが出てくる、陰性の暗い果実味、美味しい。
3日目、ゴムがなくなった!開いた状態!
香、心地よいセメダインと赤りんごの香り、ナッツの様な香ばしい香り。
味、カシスの果実味が全面に出てきた、鉄分も強くでる、タンニンがドライ。
4日目、酸味が出て上質なバローロの様な香りと味わいになってきた!
香、全開で開いた。鉄分の香りが強くなった。
味、酸味、果実味、タンニン、樽感が順番に並んだ、香ばしい旨みも美味しい!
5日目も素晴らしいワインです!!
開けたてからの香りと味わいの変化を楽しんでください。
結論
今回は赤系果実と黒果実系の特徴が混在するワインです!
ペアリングする上でジャンルを見定めるコツは『鉄分の強さ』と『タンニンの質』です。
サンジョヴェーゼの魅力!
生産量の多いサンジョヴェーゼは造り手の考えや地域の食文化で味わいの表現が変わる代表的な品種です!
トスカーナ州で造られる有名なDOCGのサンジョヴェーゼも様々な味わいです。今回のブルネッロ・ディ・モンタルチーノは旨味が強い『赤系果実』の傾向が強く、名前のままですが高貴なワインと名乗るヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノは酸味が強くエレガント系に仕上げる『赤系果実』の傾向が強いです。モレッリーノ・ディ・スカンサーノは酸味が穏やかで果実味が豊かな仕上がりになる『黒系果実』の傾向、キャンティは『赤系黒系入り混じる無法地帯』です。
個人的に言える事は、サンジョヴェーゼは『雑な酸味と雑なタンニンの間に強い旨味と果実味を感じる品種』です。
この雑な酸味と雑なタンニンを滑らかにする事で如何に美味しいワインに仕上げるか!が生産者の腕の見せどころです。
ネッビオーロも同じですが、昔は年月と共に熟成する事でしか滑らかに出来なかった事が醸造技術の発達や造り手の努力で若くても美味しいワインが増えた事は嬉しいばかりです。
ベストペアリング 3日目以降の開いた状態で合わせてください!

・ボロネーゼ(トマトベース)、美味しい!トマトと果実味が同調、タンニンが滑らかになり、旨味とバリックのバター感が心地よく伸びる!ベストペアリング!

・ 里芋と椎茸の醤油煮込み、美味しい!甘味同調、里芋のモソモソ感でタンニンが滑らかになる!アフターのバリック感が心地よい!椎茸も美味しい!

レバーうま煮、美味しい!マッタリ感が心地よい!アフターのタル感も美味しい!ベストペアリング!

・鴨胸肉、旨い!鴨の鉄分がワインの鉄分と同調!旨味も同調、味わいが広がる、これもベストペアリング!

・椎茸グリル、椎茸の香りと樽感が心地よい!塩より醤油の方がボリュームが合う!アフターの旨味も心地よい!
椎茸は基本的にどのワインとの相性も素晴らしい食材です!是非ペアリングしてください!ワインと椎茸のペアリングにハマります!

・カツオタタキ、美味しい!鉄分の同調と甘味を足す感じ!カシスのソース付けたみたい。
・ポテトサラダ、美味しい!イモのマッタリ感でタンニン気にならない!

ドライなタンニンのワインは合わせるジャンルが狭いのでチーズもお薦めします。
ワインの歴史と共に育ったチーズは基本的にワインに合います!なのでペアリングをここで紹介する必要は無いと考えていますが、ポイントだけお伝えします。
どのペアリングも同じですが、チーズを合わせるコツはワインとチーズのボリュームを合わせる事です!
なのでフレッシュチーズ以外は合います。(フレッシュチーズの油脂分ではドライなタンニンを流せないからです)
※ワインのタンニンをチーズの油脂で相殺し、果実味や旨味が補填されます。
・スモークチーズ、スーパーで売っているウインナーみたいな形のチーズです。白、ロゼ、オレンジ、赤、何でも合うので便利なチーズです。私は常備しています。スモーク感がペアリングのポイントになるので体感してください!軽く焼いても美味しいです。
・白カビ、(カマンベールチーズ、日本産で充分美味しい)、ミルキーなチーズにカシスソースをかけたみたい!
・青カビ(ゴルゴンゾーラ等)、ボリューム感同じ!アフターに青カビの香ばしいさとミルキー感がカシスソースかけてるたいで美味しい!
ベスト漬物
・茄子の糠漬け(漬物でも合います)、美味しい!合う!アフターのタル感と旨味が心地よい!

ベストポテチ
・ブラックペッパー、ブラックペッパーの香りがカシスに補填されて美味しい!

▶︎第4回【微発泡赤】ヴェントゥリーニ・バルディーニ|レッジャーノ ランブルスコ フリッツァンテ “マルケーゼ・マノドーリ”
Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。