Vino Hayashiの川嶋でございます。
本日は大人気シチリアワイン生産者ピエトロ・カチョルニャの「黄桃香るエトナ・ロッソ」の秘密についてお送りします。
◆What's ピエトロ・カチョルニャ?
ピエトロ・カチョルニャは、40もの生産者を受け持つイタリア国内で最も多忙な醸造コンサルタント、パオロ・カチョルニャさんがエトナにて興したワイナリー。
生粋のトスカーナっ子である彼がエトナに畑を持ったきっかけは、友人のマルコ・デ・グラツィアさんに誘われ島を訪れた際、畑を買うように説得されたせいだとか(半ば強引)。
マルコさんといえば『イタリアワインの革命児』と呼ばれバローロ地区の生産者(バローロ・ボーイズ)を率いてスタイル変革を促した醸造家。そんな大人物の説得に最後は折れ、エトナでワイン造りをスタートしましたが、購入した畑が普通の畑ではなかったのです。
◆最高樹齢◯◯◯年の奇跡の畑!
マルコさんが買えと言った畑はなんと最高樹齢120年、最低でも60年、フィロキセラ(北米原産のアブラムシ)の影響をほとんど受けていない「奇跡の畑」。その古いブドウから造られているのがピエトロ・カチョルニャのフラッグシップ、エトナ・ロッソ “ナンティッキア” 。
ナンティッキアは、シチリア方言で「ちょっとだけ」という意味です。ファーストヴィンテージである2006年、リリースできたのが極少量であったため、こう名づけられました。
とてもエレガントで、どこにも引っかかるところがないシルキーな舌ざわりが特徴です。さすが古樹、違います。
◆ついに明かされる黄桃香の秘密?
ところでこちらのエトナ・ロッソ、とある香りがあると試飲会・イベントのたびに話題に。
それは黄桃の香りです。
白桃でもなく黄桃というのがポイントですね。この件についてパオロさんご本人に直撃質問したことがあります。
返答は「具体的にはわからない」。ちょっとがっかりしましたが、このように言葉をつなげてくれました。
「まず、桃の香りであるということも、私とあなたの間では認識が違うのかもしれません。
ここからは推測になってしまうけれど、私が好んで使うフレンチオークのバリック(小樽)が一番の要因かと思います。
あまり樽香がつきすぎないように樽をミディアムローストで焼成するので、桃などの柔らかい果実の香りがするのではないかと。
また、マセレーション(醸し)もステンレスタンクでかなり優しく行っているので、ほんのりとした果実の香りが抽出されているのだろうと思います」。
この言葉を聞いた後、日本の桃とイタリアの桃では種類も違うし香りの出方も違うだろうなということに思い至りましたが、調べたところイタリアは日本に比べ桃の種類が豊富だそうで、黄桃(Pesche gialle ペスケジャッレ)も確かに存在しますね。
◆意外にもいける!旬のホタルイカのパスタと合わせては
こちらのナンティッキア、旬のホタルイカに合わせては。えー?赤にイカ?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんがお試しあれ。
イカはワタの味が強く風味も独特なため、全般的に白ワインよりもロゼや軽めの赤ワインによく合います。
特別に良いワインには旬の味覚を贅沢に合わせては。
材料:
・ホタルイカ(ボイルのもの。目は取り除く)8~10杯
・そら豆(さやから出して、内側の殻も剥いておく)8~10個
・チェリートマト 3~4個
・リングイネ 70g
(リングイネがない場合は、太目のパスタのほうが合います)
・水 200ml
・塩 ひとつまみ
・白こしょう 少々
・粉唐辛子 少々
・エクストラバージンオリーブオイル 少々
・イタリアンパセリ、オレンジの皮 少々
作り方:
1.フライパンに水200mlを入れて沸かし、半割りにしたチェリートマト、塩、白こ
しょう、粉唐辛子を入れます。
2.別の鍋でパスタを茹でます。茹であがる5分前ぐらいになったらフライパンに
ホタルイカとそら豆を入れます。
(ホタルイカの出汁がソースに出て、それでいて火が入りすぎず、そら豆にも
火が通る時間の目安です。)
3.パスタが茹であがったらフライパンに入れ、オイルを入れて絡めます。
(ここまでの段階でソースにオイルが入っていないので、少し多めに入れると
乳化しやすくなります。)
4.お皿に盛り付け、イタリアンパセリとオレンジの皮を散らして完成。
◆本日ご紹介したワインはこちら
\シチリア・エトナの至宝!『桃』が香る究極のエレガンス。おすすめは断然ブルゴーニュグラス!/
ピエトロ・カチョルニャ|エトナ・ロッソ “ナンティッキア” 2016
Pietro Caciorgna Etna Rosso DOC "N'Anticchia"
8,580 円(税込)
川嶋 Vino Hayashiのアラフォー女子。千葉県九十九里出身、陽気な海育ち。 某大手ワイン輸入商社、銀座店で7年ソムリエとして勤めている間、 「キャシー川嶋」の名で出した店舗メルマガが大人気となり、 調子に乗ってソムリエのキャリアをあっさり捨てライターへ転身。 好きなワインはピノ・ノワールに熟成ボルドー。 イタリアワインなら飲み頃のヴィーノ・ノービレ! 好きな言葉は「やってればなんとかなる」。