Vino Hayashi 大阪営業所の井手です。
高級レストランも取り扱う人気ワイン!セクラ5種類を味わいの特徴から、美味しいペアリングの仕組みを教えます。
私は現在ペアリング専門で仕事をしています。
内容は至ってシンプルでコース料理の皿に合わせてワインを提案します。時には皿の順番、ソースやガルニ(付け合わせ)のアドバイスもします。
希望の価格帯やワインの構成等、ニーズは様々です。
高級店のお客様が多いので 3,000円以上のワインの提案が殆どです。
その価格帯になると個性もしっかり感じ、厚みのあるワインを合わせることが出来ます。
しかし最近、弊社のリーズナブルライン『セクラシリーズ5種類』のペアリング提案を依頼されました。
『セクラシリーズ(全て小売価格1,980円税込)』は人気ワインです。
リーズナブルなシチリアワイン!SAECULA(セクラ)シリーズ
入荷3ヶ月で3000本が完売しました。
オンリストして頂いたお客様に『沢山お叱りを受けた事』を思い出します。
現在は教訓を基に安定して在庫を抱えている状態なのでご安心ください。
セクラシリーズは南イタリアのシチリア州で造られます。
全て単一品種で品種の個性を楽しむ事が出来ます。
白ワインはシャルドネ、グリッロの2種類。
赤ワインはネロダーヴォラ、メルロー、シラーの3種類。
女性醸造家が造る南イタリアでは珍しく心地よい酸味と厚みのあるミネラル感と果実味が楽しめる『お値段以上のワイン』です。それぞれの特徴を紹介します。
シャルドネ
ジャンル 『白い花系』
味わい
ジャスミンの様な白い花を思わす香り、酸味は柔らかくオイリーで苦味がしっかり残る、アフターの塩味が全体を引き締めて心地よい。
セクラ|テッレ・シチリアーネ シャルドネ 2020
1,980 円(税込)
グリッロ
ジャンル 『柑橘系』
味わい
オレンジ系の柑橘の酸味と果実味、オイリーなミネラルとアーモンドの様な苦味、アフターの塩味が心地よい。
セクラ|シチリア グリッロ 2020
1,980 円(税込)
ネロダーヴォラ
ジャンル 『黒果実系で果実味とタンニンが甘いタイプ』
味わい
ブルーベリー系の香りとミント系のハーブの香り、柔らかい酸味が全体を引き締め、ブルーベリーの果実味と鉄分をしっかり感じる、アフターにセメント特有の旨味と塩味が心地よい。 タンニンは甘い。
セクラ|シチリア ネロ・ダーヴォラ 2020
1,980 円(税込)
シラー
ジャンル 『黒果実系で酸味と果実味とスパイス感が強いタイプ』
味わい
シラーのお手本の様なイチゴとスミレと黒胡椒の香りをしっかり感じる。酸味も心地よく柔らかい、黒い果実味とタンニンがバランス良く、まとわりつく様な旨味と余韻が残ります。タンニンは甘いが少しドライ。
セクラ|テッレ・シチリアーネ シラー 2020
1,980 円(税込)
メルロー
ジャンル 『黒果実系で酸味が丸く果実味とスパイス感が強いタイプ』
味わい
メルロー特有のプラムやカシス感、熟したメロンの香り鉄分の香りも混ざり複雑で清涼感も感じる。酸味は丸く柔らかい、黒い果実味の中に鉄分とクローブがしっかり深みを形成する。アフターに果皮の旨味が強く出てくる。タンニンはドライ。
セクラ|テッレ・シチリアーネ メルロー 2020
1,980 円(税込)
以上が味わいのコメントです。私はペアリングを考える時に、白ワインは8種類のジャンル赤ワインは7種類のジャンルに分けて考えます。
それでは品種毎にペアリングの相性を解説していきます。実際ペアリング作業と言っても地味な作業の繰り返しです。
1、 食材を食べて
2、 ワインを飲んで
3、 感じるままにコメントを書く
この1.2.3.の作業を何回も何回も繰り返しアウトプットする事で理論的に理解する事が出来ます。
では、白ワイン2種類のペアリングです。
白ワイン2種類
・シャルドネ(白い花系)
・グリッロ(柑橘系)
白い花系と柑橘系は代表的な白ワインのジャンルです。
白ワインの40%がこの2種類に分類されると思います。お手本になるくらい『白い花系』と『柑橘系』でした。
ベスト&ワーストペアリング発表!
『シャルドネ(白い花系)』
セクラ|テッレ・シチリアーネ シャルドネ 2020
1,980 円(税込)
ペアリングのポイントは『白い花系』が強く出るワインはジャスミンティーの様な香りとラムネのような味わいを合わせる事です。
・ベストペアリング=鳥もも肉グリル塩焼き 、生姜ニンニク唐揚げ
・悪くないペアリング=ほうれん草の胡麻和え、タイ刺身、焼きイカ、豚テキロース塩焼き 、タコ刺身、和牛レア焼き
・不味いペアリング=マグロ中トロ、サーモン刺身、焼き鳥タレ、鳥レバータレ 、塩サバ
白い花系のワインは脂身の強いマッタリした魚(中トロやサーモン等)は合いません、臭みが出てギスギスします。
反対に鳥や豚の塩焼きをさっぱりさせてハーブ感で心地よくさせます。
白味の魚(鯛や平目)はハーブでマリネにするとワインのジャスミン感が爽快に広がります。ほうれん草などの菜葉系などもハーブ感が心地よく伸びます。
食材を食べた後に『ジャスミンティーが飲みたくなる!』ここポイントです。
『グリッロ(柑橘系)』
ペアリングのポイントは『柑橘系ワインの特徴』柑橘系の酸味とアーモンドの様な苦味を合わせる事です。
・ベストペアリング=ほうれん草の胡麻和え 、鳥もも肉グリル塩焼き 、市販のローストビーフ
・悪くないペアリング=鴨パストラミ胡椒 、和牛脂身 、筑前煮根菜
・不味いペアリング=中トロ、サーモン刺身、タイ刺身、焼きイカ
柑橘系のワインのペアリングで分かりやすい考え方が、『オレンジを絞って美味しいか?』です。
焼き鳥塩味は柑橘との相性抜群です、和牛などの脂身もサッパリさせるペアリングです。ほうれん草やブロッコリー、枝豆や空豆なども苦味が補填されてベストペアリングです!
春夏の苦味野菜に柑橘系ワインはベストマッチです!
続いて赤ワイン3種類です。
暖かいシチリアのワインなので赤ワインは全て黒果実系の果実味が強いタイプ3種類でした。
酸味は3種類とも丸いのですが、果実味とミネラル感(鉄分)、タンニンの質が違います(ここ大事です!)そしてセメント熟成!
これが南の果実味タップリなワインとの相性抜群です。樽熟成すると果実味に甘みが増して酸味が無くなり『コッテリ』し過ぎるワインになります。
セメント熟成は酸味を残したまま果実味と旨味がジュワッと出てきます!素晴らしい熟成方法です!
『ワインは樽熟成=美味しい』は10年以上前の考え方です。 醸造技術が進み品種やテロワールに適した醸造方法がアップデートされています。では、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
『ネロダーヴォラ(黒果実系)』
セクラ|シチリア ネロ・ダーヴォラ 2020
1,980 円(税込)
丸い酸味、ブルーベリーの果実味と鉄分、甘いタンニンを生かすペアリングで考えます。
・ベストペアリング=トンテキ(塩焼き)、牛肉赤身(塩焼き)、和牛レア焼き(塩)鴨パストラミ、マグロ中トロ(醤油)
・悪くないペアリング=タイの刺身、焼き鳥塩、茹でタコ刺身
・不味いペアリング=イカ焼き(醤油)、塩サバ、シシャモ、和牛脂身
豚肉や牛肉の淡白な部位、鴨肉、中トロ等、ブルーベリーソースを付けて食べても美味しいと感じる組み合わせがベストペアリングになります。果実味系ワインの特徴を生かした補填のペアリングです。
豚や鴨は鉄分の強い食材です。ワインも鉄分を感じるネロダーヴォラは良い組み合わせになります。中トロですがマグロの脂身は同時に臭みも含みます。多くの白ワインはボリューム負けするので臭みがでます。ボリューム感のある赤ワインでは合わせる方が楽です。特に酸味とタンニンが柔らかくて甘いワインを選びましょう。
マグロやカツオなどの赤身の刺身はブルーベリー系ワイン!
『シラー(黒果実系)』
セクラ|テッレ・シチリアーネ シラー 2020
1,980 円(税込)
丸い酸味、イチゴと黒胡椒を感じる果実味、タンニンは少しドライで旨味が長く続く。
若いシラーを合わせるポイントは『イチゴソースと食べて美味しいか?』と考えるという事です。
・ベストペアリング=いか焼き(醤油)トンテキ(塩焼き)市販のローストビーフ、鳥レバー(タレ)、鴨パストラミ
・悪くないペアリング=和牛レア焼き、和牛脂身、牛肉赤身(塩焼き)、塩サバ
・不味いペアリング=シシャモ、焼き鳥(塩)
黒果実系のシラーは牛肉全般との相性は凄く良いです。豚肉もイチゴの香りで臭みを消し、旨味が強いワインなのでアフターに甘いタンニンと旨味の同調があります。
イカ焼きとの相性の良さは驚きです。鉄分の強いワインだと臭みが出ますが、このワインは鉄分が強くない為、アフターの旨味とイカの出汁感が見事に同調しました。イカと似た味わいの茹でタコとの相性も良いです。鴨もレバーも鉄分系の食材の臭みを清涼感に変えイチゴソースが補填されて旨味と甘味の同調が長く続きます。
ワインが勝ちますが、中トロの魚の臭みをイチゴ感が消します。塩サバもイチゴ感で臭みを消しながらマッタリと旨味を同調させました。5種類の中では肉も魚も1番多くの食材に使えるワインです。恐るべしイチゴ感!
『メルロー(黒果実系)』
セクラ|テッレ・シチリアーネ メルロー 2020
1,980 円(税込)
プラムと表現すると分り難いのでカシスと表現する方が伝わると思います。ブルーベリーより青味が弱くマッタリ暖かい果実味です。クローブや胡椒の黒スパイス感と鉄分を強く感じます。タンニンはドライで旨味が強く続きます。ポイントはクローブや黒胡椒のスパイス感とドライなタンニンです。
・ベストペアリング=和牛赤身(塩焼き)、鳥レバー(タレ)、鴨パストラミ、和牛脂身
・悪くないペアリング=和牛レア焼き、市販のローストビーフ、トンテキ(塩)
・不味いペアリング=タイ刺身、塩サバ、シシャモ、焼き鳥(塩)
メルローが1番全体のボリュームとタンニンが強くドライでした。 牛肉との相性は良いですが淡白な部位のレア焼き(赤身やローストビーフ)だと食材がボリューム負けするのでワインが強く感じ食材の良さが消えます。
よりボリュームのある脂身やモソモソと纏わりつくレバー、和牛の焼き肉との相性が凄く良いです。
ワインのクローブや黒胡椒の味わいが肉の臭みを消して旨味を広げます。鴨肉もワインの鉄分が強いので鴨肉の鉄分と同調が凄く心地よいです。クローブや黒胡椒の黒スパイス感は四つ足の肉を合わせる時は凄く大切な要素です!・牛肉と合わせる時に大切なポイント!
牛肉に合わせる大切なポイントは『お肉の脂肪が多いか少ないか』です。
脂肪が多い(和牛サシ入り)=赤ワインのタンニンが強くドライなタイプ!
脂肪が少ない(和牛赤身)=赤ワインのタンニンが柔らかくて甘いタイプ!
脂肪が少ない淡白な肉の部位はタンニンがドライだとアフターでワインに負け牛肉の甘味が消えます。赤ワインのドライなタンニンを合わせるくらいなら、『白ワインを合わせる方が合います』
【まとめ】セクラシリーズ全種類ペアリング
【プロセッコ1本プレゼント】シチリアワイン!セクラ(SAECULA)セット
9,900 円(税込)
セクラシリーズは優秀なワインです。
改めて5種類のワインと向き合って感じました。
・シャルドネ=白い花系の特徴
鳥もも肉グリル塩焼き 、鳥の唐揚げ 、鯛や平目の刺身
・グリッロ=柑橘系の特徴
ほうれん草の胡麻和え 、鳥もも肉グリル塩焼き 、空豆、枝豆
・ネロダーヴォラ=ブルーベリーの果実味と鉄分、甘いタンニン。
トンテキ(塩焼き)、牛肉赤身(塩焼き)、和牛レア焼き(塩)鴨パストラミ、マグロ中トロ(醤油)
・シラー=イチゴと黒胡椒を感じる果実味、タンニンは少しドライ
いか焼き(醤油)トンテキ(塩焼き)、牛肉赤身のローストビーフ、鳥レバー(タレ)、鴨パストラミ
・メルロー=クローブや胡椒の黒スパイス感と鉄分、ドライなタンニン。
和牛赤身(塩焼き)、鳥レバー(タレ)、鴨パストラミ、和牛脂身
品種の個性が強いのでペアリングすると食材との相性がハッキリ出ます。
スーパーで買える食材での提案なので是非一度試してください!
食材とワインがイキイキと口の中でマリアージュされる感動は食事の時間を至福の時間に変えてくれます。
熟成した良いブドウから造られた強いワインなので抜栓から4、5日後に飲んでもバランスが崩れることがありません。
一度に色々開けて試してください。
井手 Vino Hayashiの大阪営業所長のアラフォー男子。横浜市出身 O型。 顔の濃いソムリエ。顎ヒゲとモミアゲも濃い食育アドバイザー。 ワイン業界で約10年、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは『パキッとしたパキ旨ワイン』