Vino Hayashiの川嶋でございます。
本日はエミリア=ロマーニャの甘口ワインについてお送りいたします。
目次:
1、白ワイン初のDOCG ロマーニャ・アルバーナとは
2、伝説のひとことの由来
3、主婦からワイナリー経営者へ転身 生産者「BISSONI」
◆白ワイン初のDOCGロマーニャ・アルバーナ
◆DOCG白ワイン第1号!
1987年に白ワインとして初めてDOCGに認定された古くから評価のある銘柄。アルバーナ・ディ・ロマーニャDOCG(ロマーニャ地方のアルバーナ種)という銘柄名で長年知られてきましたが、この卓越した地域性により重きを置くことを目的とし、2011年のヴィンテージから銘柄名はロマーニャ・アルバーナDOCGに変更されました。
ロマーニャ地方特有の土着品種として知られるアルバーナはセミ・アロマティック且つタンニンを持つ白ブドウで、そのポリフェノール効果からある程度の熟成も可能です。また、いろいろなタイプの味わいに製造することができ、生産者の個性が出しやすい品種とも言われています。
白ワインは気軽にのめる親しみやすい味わいのタイプが多くみられ、桃やアプリコットといった華やかなアロマが感じられます。
◆伝説のひとことの由来
ロマーニャ・アルバーナDOCGの産地で、最もクオリティの高いブドウ産地として知られるのがベルティノーロ村です。7種類の湧水がある有名なスパがあり、この湧水の土壌がブドウの発育に良い影響を与えています。
村の名前はローマ皇帝テオドシウス大王の娘ガッラ・プラチディア*の言葉“Berein coppa d’oro”に由来します。ガッラはローマ帝国末期、従者と共にロマーニャ地方のベルティノーロの丘に滞在したと言われています。アルバーナを提供された際、余りの美味しさに「Bere in coppa d’oro!(お前を黄金のグラスで飲む!)」と叫んだとか。
それほどまでに価値があるといった賞賛からベルティノーロと呼ばれるようになり、今でもそれが言い伝えられています。
* ガッラ・プラチディア(390頃~450年)
西ゴート王妃。西ローマ皇后。ラヴェンナのサン・ヴィターレ教会に隣接するガッラ・プラチディアの霊廟内部のモザイク画は見事で、ユネスコ世界遺産に登録されている。
◆主婦からワイナリー経営者へ転身
生産者「BISSONI(ビッソーニ)」
ロマーニャ・アルバーナの作り手「BISSONI(ビッソーニ)」のラファエッラさん。
1960年代後半から70年代初頭の多感な学生時代ラファエッラさんは、高度経済成長期の担い手候補としての教育を一身に受けて育ちました。
大量生産、効率化、競争。
ロマーニャ山あいの小さな村で、そういうものとはまるで無縁の世界だったため、次第に彼女の中の違和感は大きくなっていきました。
そんな中、地域が主催するワイン造りの体験プログラムに参加します。経済成長とは真逆にある自然相手の世界に、乾燥していた心が潤っていくような深い安堵と感銘を受けました。
22才で結婚し子どもを授かって専業主婦となりますが、この時の体験が彼女のともし火となりいつしか故郷の銘醸地ベルティノーロでワイン造りをしたいと夢を抱くようになりました。
そしてついに念願叶って1988年31才の時、当地に畑を購入し、ワイン造りをスタートさせました。
◆本日ご紹介したワインはこちら
\お前を黄金のグラスに入れて飲む!貴腐菌の付いた高品質パッシート/
標高約200mの畑は適度な湿度と風通しが繰り返し交互に起こることで自然に貴腐菌が付く特別な環境です。収穫は10月末~11月にかけて完全に貴腐菌が付いたものから少しずつ行い、採ったブドウはそのまま畑に残して自然の風で乾燥させ糖度を高めます。輝かしい黄金色。枇杷やキンカン、マーマレード、アプリコット、ウイキョウなどの甘美な香り。貴腐菌の効果で非常にエレガントな仕上がりになっています。年産わずか2,000本。
ひとこと:蒸し暑くなる季節、夜キュッと冷やして飲むと疲れを癒してくれそう。
ビッソーニ|ロマーニャ・アルバーナ パッシート 2015
7,480 円(税込)
川嶋 Vino Hayashiのアラフォー女子。千葉県九十九里出身、陽気な海育ち。 某大手ワイン輸入商社、銀座店で7年ソムリエとして勤めている間、 「キャシー川嶋」の名で出した店舗メルマガが大人気となり、 調子に乗ってソムリエのキャリアをあっさり捨てライターへ転身。 好きなワインはピノ・ノワールに熟成ボルドー。 イタリアワインなら飲み頃のヴィーノ・ノービレ! 好きな言葉は「やってればなんとかなる」。