Vino Hayashiの川嶋でございます。
本日はフリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州、試飲会で大好評だったブレンド白についてお送りいたします。
目次:
1、プロ向けの試飲会で大好評でした
2、何でこんなに色んなブドウ作ってるの?ブレンドの秘密
3、トイレの窓からスロベニアが見える生産者「RENATO KEBER(レナート・ケベル)」
◆プロ向け試飲会で大好評
◆スタッフにも人気の白
先日開催したプロ向けの試飲会では、赤・白・泡・リキュール類、トータル42種を抜栓!
久々にVino Hayashi人気ワインが勢揃いしました。
となると気になるのはやはり「どれが一番美味しかったか?」ですね。担当者に話を聞いてみたところ、以外なワインの名が挙がってきました。
それは、レナート・ケベル|コッリオ・ビアンコ “ベリ・グリーチ” リゼルヴァ 2015です。
フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州のピノ・ビアンコ、ピノ・グリージョ、リボッラ・ジャッラ、ソーヴィニヨン、フリウラーノがブレンドされた白ですね。もう、フリウリの白全部入ってるんじゃないの?と思うほどの多さ。
試飲したスタッフ曰く「ボリューム感と複雑味のバランスが秀逸!」とのこと。柑橘系の香りに、リンゴや桃などよく熟した果実のニュアンスが心地よい一本です!
じゃあ、何でこんなにブレンドされているのか?気になりますよね。ご説明いたします!
◆何でこんなに色んなブドウ作ってるの?ブレンドの秘密
今回の生産者レナート・ケベルでは、家族経営の小規模ながら、赤も白もいろんな種類ブドウを作っています。
一体何故なんでしょうか?その答えは一枚の写真が握っています。上の写真をご覧ください。
これはリボッラ・ジャッラとメルローですが、互いにもつれ合うようにして植わっています。
通常だったら、白は白、赤は赤、と別々に植えますよね。訪問時、何故ですか?と訊ねてみたところ、
「かなり昔のことだから、当時は何の品種かもわからず植えたのでしょう。でも、リボッラ・ジャッラとメルロの求める土壌は非常に良く似ているのです。だから、今でもこのままにしています。」との回答。なんと最高樹齢70年のリボッラ・ジャッラもそのまま残っています。
つまり、品種の区別をつけることが難しい時代から色々な品種を植えていたということ。そして、偶然うまくいったということです。
また、広い区画ごとに栽培する品種を分けるのではなく、小さな区画ごとに少量ずつブドウを栽培しているため、色々な品種がある割に生産量が極端に少ないそうです。
今回の、レナート・ケベル|コッリオ・ビアンコ “ベリ・グリーチ” リゼルヴァ 2015に至っては年産たったの1,600本(!)。
しかも、5つのブドウを品種ごとにステンレス・トノー(中樽)・大樽と醸造方法を変えるというこだわりっぷりです。究極のフリウリ・ブレンド白、ぜひご堪能ください!
◆トイレの窓からスロベニアが見える生産者
「RENATO KEBER(レナート・ケベル)」
レナート・ケベルは、スロベニアとの国境に接するゼグラという丘の中腹に位置しています。トイレの窓からもうスロベニアが見えます。
15ヘクタールの斜面に畑を所有しています。辺り一帯はポンカ(泥灰土)と呼ばれる粘土と石灰の混じった土壌が特徴です。
1850年、現当主レナートさんの高祖父であるフランツさんが第一次世界大戦前にこの地に移住し、 桃やサクランボ、そしてブドウなどの農作物を栽培し始めたのがワイナリー誕生のきっかけでした。当初は小さなブドウ畑から土着品種であるリボッラ・ジャッラでワインを造り、ウィーンのハプスブルク宮殿に樽で売っていたのだと言います。
レナート・ケベルRENATO KEBER 1976年フリウリ地震の後、一家にも大きな転機が訪れました。
翌年1977年に地下セラーを改装し新しいプレス機を導入すると同時に、レナートさんはコッリオのトップワイナリーで研鑽を積み、1987年初めて自らの手でワインを瓶詰めしました。“ビアンコ・ベリ・グリーチ”のファーストヴィンテージは1992年。白ワイン用の品種は、フリウラーノ、ピノ・グリージョ、ピノ・ビアンコ、リボッラ・ジャッラ、ソーヴィニヨン、シャルドネ、赤ワイン用品種はメルロを栽培しています。
収穫は全て手摘みで行われ、品種ごとにステンレスタンクと大樽を使い分け熟成されます。
◆本日ご紹介したワインはこちら
\5品種のブレンドが複雑さを生み出す/
レナート・ケベル|コッリオ・ビアンコ “ベリ・グリーチ” リゼルヴァ 2015
7,260円(税込)
柑橘系の香りに、リンゴや桃など良く熟した果実のニュアンス。酸は控えめながらも舌に心地よく乗ります。醸造は、ピノ・ビアンコ=トノー、リボッラ・ジャッラ=スラヴォニアの大樽、ソーヴィニヨン、フリウラーノ、ピノ・グリージョ=ステンレスタンクで12ヶ月間熟成させたのちブレンド、更に24ヶ月間のシュール・リーを経てボトリング。生産量は1,600本。
ひとこと:冷蔵庫で冷やした後、30分以上出しておき、ソーヴィニヨングラスでどうぞ。
おまけ:最近、おすすめするワインのヴィンテージで2015というものが多いです。飲み頃のヴィンテージなのかもしれません。
川嶋 Vino Hayashiのアラフォー女子。千葉県九十九里出身、陽気な海育ち。 某大手ワイン輸入商社、銀座店で7年ソムリエとして勤めている間、 「キャシー川嶋」の名で出した店舗メルマガが大人気となり、 調子に乗ってソムリエのキャリアをあっさり捨てライターへ転身。 好きなワインはピノ・ノワールに熟成ボルドー。 イタリアワインなら飲み頃のヴィーノ・ノービレ! 好きな言葉は「やってればなんとかなる」。