チョコレートとワインのペアリングとは、『チョコレート』VS『ワイン』の戦いなのです。
よく聞く話ですが、
『チョコレートが甘いから、果実味タップリのマッタリ赤ワインが合うよね』
これは間違いです!
私が考えるペアリング理論は『ボリューム感を合わせる事』が良いペアリングです。
どちらも引き立ち、味わいが広がる組み合わせです。
しかし、チョコレートは恐ろしくボリューム感が強い食材です。
味わいの要素も複雑で甘味、苦味(タンニン)、コク、を酸味が支えます。
では、チョコレートと相性が良い有名な飲み物は何か。
それは『コーヒー』です。
コーヒーとチョコレートの相性はとても良い組み合わせです。
何故か?
コク、苦味(タンニン)を酸味が支える類似する要素が多い組み合わせだからです。
全てが同調し、チョコレートの甘味が補填され味わいが広がります。
では、ワインは?
チョコレートの要素の甘味、酸味、苦味(タンニン)、コク、
ワインの要素の酸味、果実味、渋味(タンニン)、コク、
構成要素が似ている事が分かります。
なので、相性は良いのですが、問題が1つあります。
『コーヒー程の強いボリュームのワイン』が必要になります。
要するに軽いワインだと悪くは無いのですが、
『チョコレートにワインが完全に負けて消されてしまう』からです。
フルボディのワインとなるとお値段が上がります。
結局高いワインしか合わないのか!
と言う事が言いたいわけではありません。
高級ワインでもチョコレートに消されるワインが沢山あります。
チョコレートとワインのペアリングとは、
『チョコレート』VS『ワイン』の戦いなのです。
チョコレートの要素の甘味、酸味、苦味(タンニン)、コク、
チョコレートにワインが戦える要素、それは…
『原料のカカオに合わせる事』。
カカオ?良く聞く名前ですが、カカオの味をご存知でしょうか?
90パーセント以上のカカオを食べると分かるのですが、
これ炭?ってくらい『コクとタンニンの塊』です。
カカオ比率を調整する事で美味しいチョコレートが成立します。
美味しいと思う『苦味(タンニン)』に合わせてワインのタンニンボリュームを合わせます。
ワイン構成要素の果実味はチョコレートの甘味で消され、コクも消され、
酸味は最初同調を感じますが余韻には残りません。
しかし!
ワインの渋味系タンニンとチョコレートの苦味系タンニンが同調して味わいが広がります。
コーヒーの苦味系タンニンの同調とは違う、渋味系タンニンの同調を楽しむ事ができます!
ペアリングのメカニズムを解説すると何が会うのか理解できたと思います。
では、
お手頃価格で味わいが広がるお薦めワインを3種類紹介します。
カカオの入るチョコレートと合わせてください。
井手推薦!チョコレートと合わせたいワイン・ベスト3!
【赤】1、カカオ率高めにお薦め!酸味とタンニンがエレガントに合わさる美味しさ!
ヴィジン|ランゲ・ネッビオーロ “ムーディー” 2019 4,840 円(税込)
バローロやバルバレスコの品種ネッビオーロで造るワインです。
ワインだけでもエレガントに楽しめる味わいです!
酸味とドライ系タンニンが特徴的です。
チョコレートの酸味、苦味と見事に同調する赤系果実のお薦めワインです!
【赤】2、カカオ率中程度にお薦め!バリックの樽感とドライ系タンニンがマッタリ合わさる美味しさ!
イル・コロンバイオ|キャンティ・コッリ・セネージ リゼルヴァ “イル・プリオーレ” 2018
5,060 円(税込)
ワインだけでも果実味とバリック感をリッチに楽しめる味わいです!
酸味はマイルドですが、ドライ系のタンニンとアフターに残るバリック感が心地よい黒系果実のお薦めワインです!
【赤】3、カカオ率、中程度〜高めにお薦め!高級チョコレートと同じ低い重心でマッドに深く合わさる美味しいさ!
レ・チマーテ|モンテファルコ・ロッソ 2017
4,840 円(税込)
世界一のタンニン含有量のサグランティーノ20%、サンジョヴェーゼ60%、レフォスコ10%、タナ10%。
全ての品種が長期熟成に耐える漆黒のタンニンの軍団で構成されたワインです。
驚くような柔らかい果実味から漆黒のタンニンに移行する流れは見事です。
飴と鞭を口全体に感じ舌がギュッと引き締められます。
低い重心&深い同調でチョコレートと共演する漆黒のペアリングです。
美味しいチョコレートと
美味しいワインの組み合わせ。
幸せな時間を味わってください。
ペアリングの世界は深いです。
井手 Vino Hayashiの大阪営業所長のアラフォー男子。横浜市出身 O型。 顔の濃いソムリエ。顎ヒゲとモミアゲも濃い食育アドバイザー。 ワイン業界で約10年、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは『パキッとしたパキ旨ワイン』