「まじめに面白がる」をテーマに、毎月ひとつの土着品種を深掘る「イタリアワイン土着品種研究会」
今回は我々も愛してやまない灼熱のプーリア州の品種『プリミティーヴォ』を楽しむためのペアリングを解説していきます。
興味がある方は最後までお付き合いください。
テーマ品種のワインセットをご希望の方は下記からご購入でできます。
▷▶ イタリアワイン土着品種研究会Vol.048プリミティーヴォ
1 .外観・香り・味わいの分析
【外観】
濃淡はおおよそ中程度のガーネット色、一部の凝縮感を高めた造りのものは濃かった。
若い段階でも紫の色調はあまり強くない。
ヴィンテージから3年程度のものでも縁がオンジがかっているものもあり、酸化熟成による色の変化が他品種に比べてやや早そうだ。粘性は強い。
【香り】
赤い果実の香りが主体で、状態は完熟~ジャムやアルコール漬けなど(熟したレッドチェリーやラズベリー、いちごジャム、アルコール漬けのレッドプラム)。
ブルーベリーやブラックチェリー、ブラックベリーなど、やや黒い果実の香りを持つものもあった。 ローズマリー、タイム、ミントのようなハーブや赤い花の華やかさがある。
スパイスの香りは樽熟成を経ている場合も多いため、ブラックペッパー、バニラ、ココナッツ、シナモン、クローブ、甘草、八角など、多様である。
その他、森の下草、赤身肉、タバコ、コーヒー、チョコレートなども感じられた。
【味わい】
アタックは力強く、果実の成熟度の高さからくるまろやかな甘み、やや残糖が感じられるものもある。
酸はしなやかで強い。アルコールは高く味わいの骨格となり、タンニンは柔らかいものからしっかり感じられるものまでさまざまだが、強すぎるものではない。
後味に苦味が出ているものもあった。赤い果実の濃厚な風味と少しの甘み、高いアルコールのリッチなフルボディだが、しっかりした酸味があるためバランスは概ね良い。
【まとめ】
しっかりした構成を持ち、豊満で肉付きが良く、たっぷりとした果実味を楽しめるワインが多い。
ワインとしてのバランスは比較的取れているものの、アルコール度数が高く、全ての要素が十二分にあるため、場合によっては飲み疲れてしまうこともあるかもしれない。
そのなかで丘陵地帯の産地であるジョイア・デル・コッレはボディがやや軽く、高い酸味を持つため、優雅な印象を受けた。
ノーマルタイプは若々しい果実味を楽しむため、2-3年で飲んでしまったほうが良さそうだが、良質のブドウを使用した特別なプリミティーヴォは10年以上の熟成も楽しめるだろう。
2 .ペアリングは?
ジューシーで大胆な果実味が特徴のプリミティーヴォにおすすめなのは、なんと言っても肉料理。
レアやミディアムレアに焼き上げた厚切りのステーキ、ローズマリーの香りとともに塩とブラックペッパーで、または甘酸っぱいバルサミコソースを添えて。噛みしめるほどに溢れる赤身肉の旨味とワインの果実味との調和が楽しめる。
プリミティーヴォのワインにはほんのりとした甘みがあるので、甘辛ダレでいただく韓国風焼き肉やバーベキューソースを絡めて焼いたスペアリブともおすすめだ。スパイシーな料理、シシカバブやチリコンカンとも試したい。
イタリア料理なら仔羊肉料理、シンプルに焼いたものも良いが、トマトやじゃがいも、オレガノなどと蒸し煮にしたカッチャトーラや、ハーブをきかせたミートボールにしてトマトソースとともにいただくのも良い。
茄子とチーズ、トマトソースを重ねてオーブン焼きにした茄子のパルミジャーナとも好相性だ。
濃縮した果実味があるリッチで滑らかな味わいの上級のプリミティーヴォは、食後酒としても重宝する。
そのまま楽しむこともできるが、ビターチョコレートや風味の強いチーズ(ゴルゴンゾーラ、パルミジャーノなど)とともに味わって、食後の優雅な時間を満喫したい。
【生産者おススメのペアリングは?】
・Orecchiette con cacioricotta
(カチョリコッタのオレッキエッテ)
・Orecchiette con sugo di polpette
(ミートボールのオレッキエッテ)
・Polpette fritte
(ミートボールのフリット)
・Involtini di vitello
(仔牛のインボルティーニ)
・Involtino di cavallo al sugo
(馬肉のインボルティーニ トマト煮込み)
3 .美味しく飲むには?
【どんなグラスで飲む?】
たっぷりとした果実味を口いっぱいに楽しめるボルドー型グラスで。
【サービス温度は?】
13-18℃
若くシンプルなワインは少し冷やして味わいを引き締めて、上級のスペシャルワインはやや高めの温度で複雑さを引き出して。
【サービス温度いつ開ける?】
2-3 年程度
若々しく豊潤な果実味を楽しもう。味わいの要素が凝縮した上質なワインは10年以上の熟成も可能。
イタリアワイン土着品種研究会とは?
毎月ひとつのテーマ品種の歴史、特徴、ペアリングなどの解説付きテキストとテーマ品種のワインを2本から3本お届け。
\こんな方におすすめ/
✅ワインショップやレストランに取り扱いがない土着品種に興味がある方
✅知らない土着品種を味わってみたい方
✅ペアリングの基本を学びたい方
✅品種の特徴を理解して好みのワインを選べるようになりたい方
✅日本未入荷のワインを愉しみたい方
テーマ品種のワインセットをご希望の方は下記からご購入でできます。
▷▶ イタリアワイン土着品種研究会Vol.048プリミティーヴォ
テーマ品種のワインセットをご希望の方は下記からご購入でできます。
▷▶イタリアワイン土着品種研究会の詳細を見る