こんにちは、大阪営業所の井手です。
1年間、お届けワインの美味しい飲み方と取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
第11回でお届け
カンパーニア州
【白】カンティーネ・ディ・マルツォ|グレコ・ディ・トゥーフォ 2022
飲み頃は?開けたてから美味しい!
開けたてからレアタイプの青リンゴの香り!
1日目、2日、3日目と味わいが変わっていきます!
温度帯は?
6度〜8度 夏なので冷やし目が美味しい季節です!
冷蔵庫の温度くらいが良いです。
抜栓後、セラーがない場合は冷蔵庫で保管してください。
グラスで少しづつ温めながら香りと果実味の変化を楽しみましょう。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)
花の香系のワイン
花の香系ワインとは『花の香』=蜂蜜等の蜜を伴った『白い花や黄色い花』のフローラルな香りを感じた際に使用されることが多いです。私はラムネの香りに近いワインを捉えて呼びます。蜂蜜やラムネ、洋梨、アーモンドやピスタチオの香りが混ざっています。強い香りになると白バラや青リンゴ、ジャスミンの香りも感じます。柑橘系の香りも少し混ざる事があるので難しく感じますが『自分の香りの捉え方』を探して香りをジャンル分けしてください。
『花の香系』と『柑橘系』ジャンルの白ワインは世界的に見ても多く出会うワインです。しっかり特徴を捉えてベストな楽しみ方を知ってください。
(ジャンル分けは井手独自の感覚のジャンル分けです)
タイプ
中程度の酸味と蜂蜜系の苦味
『花の香系』も『柑橘系』も共に好みの酸味の強さと苦味(ミネラル)のバランスを感じてください。
『酸味が強い』が好きな人は比較的寒い地域のワインを、『酸味が柔らかい』が好きな人は比較的暖かい地域のワインを選んでください。自分に合ったワインが探し易くなります。
白い花系の特徴
白い花系のワインはラムネや洋梨、ジュニパーベリー(ジンの香り)、ジャスミン、蜂蜜の香りが特徴のタイプです。
苦味の出方が柑橘のピール感ではなくて、蜂蜜やナッツの苦味に近いです。
若いワイン程、お菓子やジュースのラムネっぽい香りが強く出る事が多いです。
1日目 わお!いきなりレアタイプの香り青リンゴがでた!
香り:青リンゴ、パイナップル、洋梨、蜂蜜。
味:ミネラル感、ラムネ、青リンゴ、心地よい苦味。
2日目 洋梨や白桃の香りがでた!苦味も心地よい!
香り:青リンゴ、洋梨、白桃。
味:青リンゴ、洋梨、蜂蜜系の心地よい苦味が強く出てきた。
3日目 柑橘のような酸味が出てきた!
香り:変わらず良い!
味:柑橘のような酸味が出てきた!
4日目、変わらず良い!
香り:変わらず良い!
味:酸味が強くなった!美味しい!
結論 『レアタイプの青リンゴ』の香りがします!
青リンゴのニュアンスが出ると、魚介系の臭みが青リンゴの消臭作用で消されてなくなります。
青リンゴの特徴を持つワインはレアタイプです!ペアリングの幅が広がるので覚えておいて欲しいです!
そもそも出会う事が少ない特徴の上に、ビンテージによって出たり出なかったりするのでしっかり楽しみましょう!
・僕の憧れのワイン!
以前働いていた輸入元にグレコ・ディ・トゥーフォが無かった為、イタリア最大の展示会『ヴィニタリー』に探しに行きました。色々試飲したのですが、当時はバリック熟成がブームだった事と値段が高かった事で『コレだ!』と思うグレコに出会えませんでした。だから僕にとって
『グレコ・ディ・トゥーフォ』は憧れのワインです!
なんて、カッコイイ名前だろう!
しかも美味しい!
・グレコの特徴!
紀元前から愛されるグレコの特徴は酸味とミネラルのバランスが素晴らしい事です!
果実味タップリの媚びたグレコより、ミネラル感でグイグイ引っ張るグレコが好きです。
今回の青リンゴや洋梨の特徴も強いミネラルと苦味があってこそ!立体感がでて複雑で美味しいワインになります。
熟成させる事もできる偉大な品種です。
・ミネラル感とは?
諸説色々表現されていますが、
僕の捉え方は『酸味と果実味の後に出てくる味わい』です。
[ 酸味 → 果実味 → ミネラル感 → 樽感 ] イメージはこんな感じです。
・品種名はグレコなの?グレーコなの?
どちらでもカッコイイと思う呼び方で大丈夫です!
「グレーコ・ディ・トゥーフォある?」みたいな感じです。フォは伸ばさないでください。フォ〜ではありません!
ベストペアリング
・アサリや蛤、サルボウ貝、ベストペアリングになります!軽くニンニクを炒めてパセリを多めに散らしてください!
春の野菜
・菜の花、菜の花の青味とワインの青リンゴ感、菜の花の苦味とワインの苦味が同調する!美味しい!
・芽キャベツ、少し焦がしてください、香ばしくて甘味が強く出た芽キャベツと、青リンゴやパイナップルの果実味が合う!苦味が引き締めて美味しい!
夏の野菜
・枝豆、旨い!香ばしさが爽やかになりまくりで美味しい!柑橘系とは違う合わせ方で面白い!
・焼きシシトウ、青リンゴ感が青みと合う!美味しい!アフターサッパリ!
・茗荷、辛味と青リンゴ合う!
・蒸したゴーヤ、美味しい!苦味が青リンゴの清涼感で爽やかになる!だし醤油とマヨネーズで和えました。
トマトは基本的にワイン全般と合います!今1番美味しい旬の食材なので是非!
・惣菜のレバー旨煮、旨い!うま過ぎる!レバーと蜂蜜感が合い過ぎる!絶対やって欲しいです!ベストペアリング!
・豚バラ塩焼き、サッパリ爽やかになる!美味しい!蜂蜜系の苦味サイコー!
・生海老刺身、臭み出ない!青リンゴの清涼感で爽やかになる!
生海老の味噌も臭みでない!爽やかになる!
・松茸、木の香りと青リンゴの香りを同調させるペアリングです!柑橘系も合いますが香りが続き余韻も長い!
松茸は香りを楽しむ食材です、味わいは強くないので香りの高い白を合わせてください!樽白でもOKです。赤だと松茸が負けます。
結論 『青リンゴ感』は合わせる幅が広い!
青リンゴの清涼感が揚げ物、焼き物、炒め物、香ばしさとベストペアリングです!
井手のベスト漬物 ・ニンニク味噌、美味しい!青リンゴの清涼感がサッパリさせる!美味しい!
・高菜(辛くない方)、合うな〜!高菜の発酵の香ばしさが足されて美味しい!ベストペアリング!
井手のベストポテチ ・コンソメ、コンソメの香ばしさが青リンゴ感で爽やかになる!合う!
▶︎第11回【赤】カンティーネ・ディ・マルツォ|イルピニア アリアニコの取説はこちら
Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ
食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。