「まじめに面白がる」をテーマに、毎月ひとつの土着品種を深掘る「イタリアワイン土着品種研究会」
今回は果実や花の若々しいアロマがチャーミングな品種『ランブルスコ』を楽しむためのペアリングを解説していきます。
興味がある方は最後までお付き合いください。
【ランブルスコのワインはこちら】
▷▶ランブルスコ一覧
LAMBRUSCO DI SORBARAの外観・香り・味わいの分析
【外観】
淡く明るいルビーレッドの色調(ロゼに近い)。
【香り】
フローラルでスミレの香りが感じられ、レッドチェリー、イチゴ、オレンジなどがミックスした甘やかなフルーツの香りもある。
【味わい】
軽やかで繊細、優美な印象、赤いフルーツのフレーバーとしっかりした酸、ミネラル感が感じられる。
LAMBRUSCO SALAMINOの外観・香り・味わいの分析
【外観】
紫がかった濃いルビーレッドの色調。
【香り】
赤~黒のさまざまなベリー類(森のベリー)とチェリー、スミレ、バラなどがある。
【味わい】
骨格、ボディがしっかりしている。ソルバーラのような優雅な香り、マエストリのような厚みのある果実味、グラスパロッサのようなしっかりとしたタンニンを兼ね備えている。
LAMBRUSCO MAESTRIの外観・香り・味わいの分析
【外観】
はっきりと紫がかった濃いルビーレッドの色調。
【香り】
フルーティーでフローラル。赤~黒の様々なベリー類、ブラックチェリー、スミレ、バブルガムのニュアンスもある。
【味わい】
フルーティーで肉厚なボディ。なめらかで丸みのある味わい、果実感が全面に出ている。
LAMBRUSCO GRASPAROSSAの外観・香り・味わいの分析
【外観】
やや濃いルビーレッドの色調。
【香り】
イチゴ、ブルーベリー、カシス、ブラックチェリーなどのフルーツの香り、やや植物的な香りを持つものもある。
【味わい】
しっかりした骨格とボディを持ち、最もタンニンが強い傾向にあり、複雑さがある。硬めの印象でやや青いトーンを感じられるものもある。
4種のまとめ
ソルバーラからグラスパロッサまでその特徴はさまざまであるが、共通するのは発泡(フリッツァンテからスプマンテまで)を持つこと。シャルマ方式で造られたフレッシュさを生かしたタイプが多い。
色は赤ワインが大半であるが、ある程度冷やすことが求められ、一部のワインを除いてはジューシーな果実味を楽しむためにも早めに消費するのが好ましい。
2 .ランブルスコのペアリングは?
ペアリングのポイントは?
軽めの微発泡赤ワインであるので幅広く食事に合わせられるが、特に地元特産の豚肉加工品(生ハム、サラミ、ソーセージ類)や肉料理、パルミジャーノ・レッジャーノとの相性が良い。
中でもソルバーラは軽やかさがあるので、食事のスタートにハムなどをつまみながら、それらの旨味を引き立て口中をリフレッシュしてくれる酸と発泡を持ち合わせている。
またランブルスコは食事を通して楽しめる。
ラザーニャのような濃厚で柔らかな食感の料理には、サラミーノのようなフルーティーでなめらか、適度なタンニンを持つ辛口タイプが、お互いのジューシーさを相乗し、後味をさっぱりとまとめてくれそうだ。
またコテキーノやザンポーネなどの風味豊かなソーセージ、それらを入れたボッリート・ミストには、しっかりした骨格・タンニンを持つ辛口のグラスパロッサが良いだろう。
またランブルスコはバーベキューや焼肉などにも重宝する。果実味とまろやかさがソースやタレの甘みに寄り添い、タンニンと発泡が口中を爽やかに整える。
ピッツァやハンバーガーなどのファストフード、とんかつやコロッケなどの日常食とも気軽に楽しみたい。甘口タイプはデザートタイムに。
【おすすめの料理は?】
Tortellini in brodo(トルテッリーニ・イン・ブロード))/Culatello di Zibello(クラテッロ・ディ・ジベッロ)
【その他】
パニーノ/ボッリート・ミスト/パルミジャーノ・レッジャーノなど。魚・鶏肉のグリル/フレッシュ~やや熟成したタイプのチーズなど。
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イタリアワイン土着品種研究会とは?
毎月ひとつのテーマ品種の歴史、特徴、ペアリングなどの解説付きテキストとテーマ品種のワインを2本から3本お届け。
\こんな方におすすめ/
✅ワインショップやレストランに取り扱いがない土着品種に興味がある方
✅知らない土着品種を味わってみたい方
✅ペアリングの基本を学びたい方
✅日本未入荷のワインを愉しみたい方
✅品種の特徴を理解して好みのワインを選べるようになりたい方