こんにちは、大阪営業所の井手です。
1年間、お届けワインの美味しい飲み方と取扱説明を皆さまにお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。プロのソムリエも知らない知識や独自の観点からワインを分かりやすく説明します。
第12回でお届け
プーリア州
【赤】カリートロ|プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア “アウジリオ”
飲み頃は?
2日目から香りが爆発します!3日目以降は果実味がどんどん強くなります!
4日目もさらに円やかに!
必ず冷蔵庫の野菜室かセラーでも温度が低い設定で時間をかけてください。
温度帯は?
開けたてから果実味が強いワインなので低めの16度〜18度(もっと低くても美味しいです)
野菜室から出して30分〜40分時間を置いた温度。
抜栓後はセラーがない場合は冷蔵庫の野菜室で保管してください。
ジャンルは?(ワインをジャンル分けする事でペアリングや楽しみ方が理解できます)
黒果実系
黒果実系とはカベルネソーヴィニヨン、メルロー、シラー、サンジョヴェーゼ、モンテプルチャーノ、プリミティーヴォなどに代表される果実味が強く、色調が赤黒く濃淡が濃い特徴を持つジャンルです。世界中で造る赤ワインの大部分はこのジャンルのワインです。
※赤ワインは大きく分けて赤果実系のジャンルと黒果実系のジャンル2種類に分かれる事が多いです。
今回は黒果実系の特徴が色濃くでるワインです。世界中から愛される『プリミティーヴォ』を識る上で凄く勉強になワインなのでしっかり楽しみましょう。
(井手独自の感覚のジャンル分けです)
タイプ
黒果実系で酸味が丸く果実味とタンニンが甘いタイプ(プリミティーヴォ、ネロダーヴォラ、モンテプルチャーノ、メルロ、マルベック等)
特徴
このタイプのワインは甘くて柔らかいタンニンを感じるワインです。
タンニンが甘い?不思議に思うかもしれませんが、重要な要素なので必ず覚えておいてください!
プロのソムリエの中でもペアリングを仕事にする人は、この甘いタンニンの考え方を知らないと料理と合わすことができません。
何故か!和牛と合わす事ができる唯一のタンニンだからです!
お肉には赤ワインじゃないの?
「お肉なので赤ワインを合わせましょう」良く聞くフレーズです。
知識の無いワイン営業やソムリエが良く使っているフレーズです。この言葉を聞いた時はペアリングの知識が無いと考えて間違いありません。
肉ってなんだろ?何の肉?いつも不思議に思います。
身近なスーパーで手に入るだけでも『和牛』『牛肉』『豚』『地鶏』『ブロイラー』『鴨』『羊』『ソーセージ』『ハンバーグ』
専門店だと『鹿』『鳩』『猪』『熊』『穴熊』『兎』『雉』『蛙』なんでも食べるな....
この種類に部位や内臓まで分けると無数の味と食感と脂身が存在します。
全部合えば、赤ワインすげ〜ってなりますよね。
残念ながら全てに合う液体は醤油くらいだと思います。
良く食べる『和牛』『牛肉』『豚』『鶏』だけでも覚えておいてください!
※今からお伝えするペアリング『食材に塩と胡椒だけの考え方』です。(タレ焼きは別の考え方になります)
『和牛』『牛肉』今回は一括りで考えます。
今回お届けのワインは、黒果実系で酸味が丸く果実味とタンニンが甘いタイプです!
『牛』『鹿』『馬』は同じジャンルで覚えてください。
市販の焼肉のタレや馬刺しのタレ等、どれも甘くてコクのある味の傾向が多いと思います。
何故か?肉との相性が良いので売れるからです。
焼肉店も同じ考えで甘いコクのあるタレが多い理由です。
この考え方と同じで、ワインも似た味わいを合わせると美味しいです!
合わない赤ワインの要素は『強い酸味』『ドライなタンニン』『若い青臭い味わい』です。
ピノ・ノワールやネッビオーロ等の赤果実系が合わないって事ですね。
白ワインはペラペラの薄い味わい以外は全般的に何でも合います。
『豚』『鴨』の合わせ方
色々試行錯誤の体験の末に、若くない赤果実系の『鉄分と旨味』を合わせるペアリングが好きです。
若くない(最低3年、理想は5年)が前提ですが、バルベーラやネッビオーロ、ピノ・ノワールです。
分かりやすく表現すると『醤油』みたいなワインです。香と酸味と鉄分。
特に豚肉は醤油ベースの生姜焼きや豚の角煮が人気です。
余談ですが本当は果実味の強い白ワインの方が肉の旨味を感じる事ができます。脂身の少ない『ロース』や『ヒレ』は特に。
『地鶏』『ブロイラー』の合わせ方
間違いなく白かロゼワインです。どの赤ワインにもボリューム負けして肉の味や旨味が消されます。
そもそもタンニンが邪魔です。
余談ですがセミセッコ(中甘口ワイン)はどの肉とも合います。コーラやスプライトと合わせる感覚です。
詰め込み過ぎると、ペアリングが難しい技術と考えられるのが嫌なので短めにお伝えしました。
マニアックな酒と肴の話だと思ってください。
ちなみに「魚介類は白ワインです」発言はもっと危険です。肉と違い、合わせ方を間違えると臭みが強くでる事になります。
時間と味わいの変化。
1日目 干し葡萄で造るワインなのでレーズンの香りがする!
香:レーズン、カシス、アルコール感、クローブ。
味:カシス、レーズン、クローブ、軽い樽感。
干し葡萄をペーストにして飲んでるみたいな味わいです。
アフターの甘味と旨味が長く続きます。
2日目 黒いスパイス感と果実味が強く感じる様になった。
香:レーズン感とクローブの香りが強くなってきた。
味:レーズンの甘味が強くでてきた、タンニンに甘さが感じられる。
3日目、干し葡萄特有の強い果実味‼︎
香:変わらず良い。
味:果実味が強い。
4日目、美味しいままです!より円やかになる!
香:黒系果実の香りが充満している。
味:円やかな酸味の中に黒スパイス感が溢れる!果実味タップリ出る!
結論
今回は黒系果実の特徴が色濃くでたワインです!
開けたてから果実味が爆発していますが、
2日目からも果実味がどんどん前面に出てきます!
ペアリングするなら2日目以降がお勧めです!牛肉との相性が素晴らしい!
ベストペアリング
・和牛、流石に美味しい!カシス感合う!タンニン全く邪魔にならない!甘味も旨味出る!ベストペアリング!
外国産の牛肉も合います!赤身も合いますが、脂身がお勧めです!
・マグロ赤身、カシスの果実感が補填されて合う!マグロ赤身は白より赤ワインの方が合うね!
・鴨胸肉、凄く合う!甘い果実味と鴨鉄分がブルーベリー感が鴨肉の鉄分とのレバー感がマッタリ合う!ベストペアリング!
・椎茸塩焼き、凄く旨い!甘味+旨味、カシスの果実味と椎茸の旨味が補填されて美味しい!バルバレスコとは違う美味しさ!
椎茸は基本的に赤でも白でもロゼでもオレンジでもワインとの相性も素晴らしい食材です!是非ペアリングしてください!ワインと椎茸のペアリングにハマります!ペアリング万能食材!
・秋刀魚塩焼き、全然臭みでない!カシスの果実感が補填されて美味しい!
・サワラ塩焼き、甘味が補填されて美味しい!ボリュームもあってる!
・鰹タタキ、臭み全く出ない!カシスソースのタレみたい!美味しい!
井手のベスト漬物
・ナスの漬物、青味と果実味が合う!甘味足されて美味しい!
・しば漬け、ブルーベリー感と紫蘇感が合う!タンニンも同調!しば漬けは優秀です!
井手のベストポテチ
・ブラックペッパー、ブラックペッパーの香りがカシスに補填されて美味しい!ベストペアリング!
・ノリ塩、美味しい!青ノリの香ばしさとカシス系果実感が合う!ベストペアリング!
▶︎第12回【赤】ヴィジン|バルバレスコ “モンテルシーノ”の取説はこちら
Vino Hayashi 井手 大阪営業所長 J.S.A.認定ソムリエ 食育アドバイザー 横浜市で誕生 福岡に6年、関西で33年。O型。42歳。 ワイン業界で約15年、レストランや料飲店での営業のほかにペアリングのコンサルもこなし、飲食とフットサルと笑いを愛するポジティブ関西人! 好きなワインは、弊社取り扱い生産者カステルユゥヴァルのミュラートゥルガウ、コントゥッチのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。